カテゴリ: COBOL 更新日: 2026/02/22

COBOLモダナイゼーションのコスト見積もりとROI(投資対効果)を徹底解説!

コスト見積もりとROI(投資対効果)の考え方
コスト見積もりとROI(投資対効果)の考え方

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、古いCOBOLのシステムを最新にするのって、すごくお金がかかりそうですよね。会社を説得するにはどうしたらいいんでしょうか?」

先生

「そうですね、目先の金額だけを見ると大きな出費に思えます。でも、そのまま使い続ける『リスク』と、新しくした後の『お得感』を計算することが大切なんですよ。」

生徒

「『お得感』ですか!それを専門用語でROI(投資対効果)って言うんですね。具体的な見積もりの考え方を知りたいです!」

先生

「予算を立てる時のポイントや、将来どれくらいプラスになるのか、一緒にシミュレーションしてみましょう!」

1. コスト見積もりの考え方とは?

1. コスト見積もりの考え方とは?
1. コスト見積もりの考え方とは?

コスト見積もり(こすとみつもり)とは、プロジェクトを完了させるために「全部でいくらお金が必要か」を事前に計算することです。

COBOLのモダナイゼーション(システムの近代化)では、単にプログラムを書き換える費用だけでなく、目に見えにくい様々な費用が発生します。 パソコンを触ったことがない方への例えとして、「古い一軒家のリフォーム」を想像してください。 大工さんの手間賃(開発費)だけでなく、工事中の仮住まい費用(検証環境の維持費)や、新しい家電の買い替え(新しいサーバー代)なども含めて予算を立てる必要があります。

見積もりを出す際には、以下の「3つの大きな袋」に分けて考えると整理しやすくなります。

  • 初期投資(イニシャルコスト): 移行作業そのものにかかるお金。
  • 運用費用(ランニングコスト): 作った後に、毎月・毎年払い続けるお金。
  • リスク費用: トラブルが起きた時のための予備のお金。

2. 見積もりに含まれる主な内訳

2. 見積もりに含まれる主な内訳
2. 見積もりに含まれる主な内訳

具体的にどのような項目にお金がかかるのか、主なものを挙げてみましょう。

項目名 内容(初心者向け解説)
現状分析費 今の古いシステムがどうなっているか、探偵のように調べる費用。
変換・開発費 COBOLを新しい言葉に翻訳したり、クラウド用に作り直したりする職人さんの人件費。
テスト・検証費 新旧のシステムで計算結果が1円もズレていないか、何度も確認する作業代。
ライセンス料 新しいソフトやツールを使うために、メーカーに払う「使用料」。
教育トレーニング費 社員が新しいシステムの操作に慣れるための勉強会の費用。

3. ROI(投資対効果)の考え方

3. ROI(投資対効果)の考え方
3. ROI(投資対効果)の考え方

ROI(アール・オー・アイ)とは「投資したお金に対して、どれくらい利益が出たか」を表す指標です。 日本語では投資対効果(とうしたいこうか)と言います。

例えば、1億円かけてシステムを新しくしたとします。その結果、毎年の維持費が3,000万円安くなったとしたら、約3年ちょっとで元が取れる計算になります。 この「元が取れる」という感覚が、会社の上層部を説得する際にとても重要になります。

ROIを計算する公式

基本的には以下の数式で考えますが、難しく考える必要はありません。

ROI = (得られる利益や削減額 - 投資額) ÷ 投資額 × 100

要するに、「出したお金より、後で返ってくるメリットの方が大きいか?」をチェックする指標です。

4. 「見えないコスト」と「見えない利益」

4. 「見えないコスト」と「見えない利益」
4. 「見えないコスト」と「見えない利益」

お金として計算しやすいもの以外にも、無視できない要素があります。

見えないコスト:維持し続けるリスク

「今は動いているから、何もしないのが一番安い」と考えるのは危険です。 古いメインフレーム(巨大なコンピュータ)の部品がなくなったり、COBOLがわかるベテラン技術者がいなくなったりすると、故障した時に会社全体の業務が止まってしまい、数億円の損害が出るかもしれません。これを「現状維持のリスクコスト」と呼びます。

見えない利益:ビジネスのスピードアップ

新しいシステム(クラウドなど)に移行すると、新機能を追加するのがとても速くなります。 「新しいサービスをすぐに始められる」「スマートフォンのアプリとすぐに連携できる」といった、売上を伸ばすためのチャンスを逃さないことが、大きな利益に繋がります。

5. コストを抑えるためのプログラム的な工夫

5. コストを抑えるためのプログラム的な工夫
5. コストを抑えるためのプログラム的な工夫

プロジェクトマネージャーは、無駄な書き換えを減らすことでコストを抑えます。 例えば、以下のように「本当に必要な条件」だけを整理することが見積もりを下げるコツです。


* すべてを移行すると高くなるため、不要な処理を特定する
       IF STATUS-CODE = "DELETED"
      * 古いデータの削除済み処理は移行対象外にする
           CONTINUE
       ELSE
      * 今も使っている大切な処理だけをクラウドへ移す
           PERFORM MAIN-PROCESS
       END-IF.

このように、プログラムの棚卸し(たなおろし)をしっかり行うことで、移行するボリュームを減らし、見積もり金額を適正に保つことができます。

6. 知っておきたい重要単語集

6. 知っておきたい重要単語集
6. 知っておきたい重要単語集

予算会議などでよく使われる言葉を整理しました。

TCO(ティー・シー・オー)
総保有コスト。買う時のお金だけでなく、捨てるときまでにかかる全費用のこと。
オンプレミス
自社の中にコンピュータを置いて管理すること。維持費が高くなりやすい傾向にあります。
クラウド移行
インターネット上の共用サーバーを借りること。初期費用を抑えやすいのが特徴です。
資産査定(アセスメント)
今のシステムにどれくらいの価値があり、どれくらい古いかを正しく評価すること。

7. 成功する見積もりの進め方

7. 成功する見積もりの進め方
7. 成功する見積もりの進め方

最初から完璧な1円単位の見積もりを出すのは不可能です。 まずは「概算見積もり(ざっくりとした計算)」を行い、方向性が決まったら詳細を調査するのが一般的です。

  1. 範囲を決める: どのシステムをどこまで直すか決める。
  2. 優先順位をつける: 大切なところから少しずつ新しくする(段階的移行)。
  3. 複数の会社に聞く: 専門の会社に見積もりを依頼して比較する。

しっかりとしたROIの根拠があれば、会社も「これは将来のための投資だ」と納得してプロジェクトを応援してくれるようになります。

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