カテゴリ: COBOL 更新日: 2026/02/16

COBOLをクラウドへ!AzureやAWSでの活用と失敗しないための基本ポイント

クラウド対応の基本(Azure, AWSなど)と留意点
クラウド対応の基本(Azure, AWSなど)と留意点

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、最近よく聞く『クラウド』って何ですか?COBOLという古いプログラムも、クラウドに乗せることができるんでしょうか?」

先生

「はい、もちろんです!クラウドは、インターネット上にある大きなコンピュータを借りて使う仕組みのことですよ。Azure(アジュール)やAWS(エーダブリューエス)という名前が有名ですね。」

生徒

「へぇー、インターネットの中にあるんですね。でも、古いCOBOLをわざわざそこへ移すメリットって何ですか?あと、注意することもありますか?」

先生

「とても鋭い質問です。維持費を安くしたり、最新の技術と繋げたりできるのがメリットですが、いくつか気をつけたい『壁』もあります。一緒に詳しく見ていきましょう!」

1. そもそもクラウド対応とは?

1. そもそもクラウド対応とは?
1. そもそもクラウド対応とは?

クラウド対応(くらうどたいおう)とは、これまで自分の会社の中に置いてあった大きなコンピュータ(メインフレームや自社サーバー)で動かしていたプログラムを、インターネットの向こう側にある強力なサーバーへ引っ越しさせることです。

プログラミング未経験の方に例えると、「自家用車を所有するのをやめて、必要なときだけカーシェアリングを利用する」ようなイメージです。 車(コンピュータ)を自分で管理・修理しなくて良くなり、使った分だけお金を払えば済むようになります。

代表的なクラウドサービスには、Microsoftが提供するAzureや、Amazonが提供するAWSがあります。これらは世界中の企業が利用しており、非常に安全で信頼性が高いのが特徴です。

2. COBOLをクラウドへ移す「モダナイゼーション」の流れ

2. COBOLをクラウドへ移す「モダナイゼーション」の流れ
2. COBOLをクラウドへ移す「モダナイゼーション」の流れ

COBOL資産をクラウドへ移行することをモダナイゼーション(近代化)と呼びます。単にファイルを移すだけではなく、いくつかの手順を踏みます。

① 移行先の選定

まず、AzureやAWSのどちらを使うか決めます。例えば、会社でWindowsをよく使っているならAzure、自由な組み合わせで拡張したいならAWSといった具合に選ばれます。

② 実行環境の準備

クラウド上には、COBOLという言葉を理解できる「土台(エミュレーターやコンパイラ)」を設置します。これにより、古いプログラムを書き換えずにそのままクラウドで動かすことが可能になります。

3. クラウド化の大きなメリット

3. クラウド化の大きなメリット
3. クラウド化の大きなメリット

なぜ今、多くの大企業がCOBOLをクラウドへ移そうとしているのでしょうか。その理由は主に3つあります。

コスト削減

高い維持費がかかる大型コンピュータを捨て、使った分だけ支払うクラウドにすることで費用を抑えられます。

災害に強い

データが世界中の安全な場所に保管されるため、地震や火災があっても大切な情報を失わずに済みます。

最新技術との連携

クラウドにあるAI(人工知能)や分析ツールとCOBOLのデータを簡単に繋げられるようになります。

4. クラウド移行の際に注意すべき「留意点」

4. クラウド移行の際に注意すべき「留意点」
4. クラウド移行の際に注意すべき「留意点」

良いことばかりに見えるクラウド化ですが、パソコンに詳しくない方が特に気をつけたいポイントがあります。

① 処理速度の遅延(レイテンシ)

これまでは手元のコンピュータで処理していましたが、クラウド化すると「インターネットを通じてデータを送る時間」が発生します。 ほんの一瞬の差ですが、大量のデータをやり取りする際には、この「待ち時間」が問題になることがあります。

② データの保存場所と法律

クラウドのサーバーは海外にあることも多いです。 「個人情報は日本国内に置いておかなければならない」という法律やルールがある場合、サーバーの場所を慎重に選ぶ必要があります。

③ 専門知識を持つ人の不足

「COBOLという古い言葉」と「クラウドという新しい仕組み」の両方がわかる人は非常に少ないです。 そのため、事前の計画や、移行後のメンテナンスを誰が行うのかをしっかり決めておく必要があります。

5. クラウドで動くCOBOLプログラムのイメージ

5. クラウドで動くCOBOLプログラムのイメージ
5. クラウドで動くCOBOLプログラムのイメージ

クラウドへ移行しても、基本的なプログラムの書き方は変わりません。ただし、データの保存場所を指定する部分などが少し現代風になります。


       IDENTIFICATION DIVISION.
       PROGRAM-ID. CLOUD-SAMPLE.
      * クラウド環境(AzureやAWS)で動かす想定のプログラム
       PROCEDURE DIVISION.
       MAIN-LOGIC.
           DISPLAY "クラウドサーバーへ接続しました。"
           DISPLAY "計算処理を開始します。"
           * ここにこれまでの大事な計算ロジックが書かれます
           DISPLAY "クラウド上での処理が正常に完了しました。"
           STOP RUN.

実行したときの画面(コンソール)には、このように表示されます。


クラウドサーバーへ接続しました。
計算処理を開始します。
クラウド上での処理が正常に完了しました。

6. 難しい単語の解説コーナー

6. 難しい単語の解説コーナー
6. 難しい単語の解説コーナー

この記事を読んでいて「?」となったかもしれない言葉を解説します。

サーバー
サービス(情報や機能)を「提供する」側のコンピュータのこと。クラウドはこれの巨大な集合体です。
メインフレーム
銀行などで使われる、部屋いっぱいに広がるような巨大で高価なコンピュータのこと。
インフラ
水道や電気のように、システムが動くために必要不可欠な土台となる環境のこと。
セキュリティ
大切なデータが盗まれたり、壊されたりしないように守る仕組みのこと。

7. AzureとAWS、どっちを選べばいい?

7. AzureとAWS、どっちを選べばいい?
7. AzureとAWS、どっちを選べばいい?

どちらも非常に優れたクラウドですが、選ぶときの目安をまとめました。

サービス名 提供元 向いているケース
Azure Microsoft 会社でWindowsやExcel、Teamsなどをたくさん使っている場合、相性が抜群です。
AWS Amazon 世界一のシェアがあり、多種多様な機能から自分たちの好きなように選びたい場合に最適です。

8. 段階的な移行のすすめ

8. 段階的な移行のすすめ
8. 段階的な移行のすすめ

「よし、明日から全部クラウドだ!」と急ぐのは危険です。まずは重要度の低いデータや、一部の機能だけをクラウドへ移して様子を見る「段階的な移行」が推奨されます。

小さな一歩から始めることで、万が一トラブルが起きてもすぐに原因が見つけやすくなります。 また、現場のスタッフが新しいクラウド環境に慣れるための時間を稼ぐこともできます。

9. まとめ:資産を未来へつなぐために

9. まとめ:資産を未来へつなぐために
9. まとめ:資産を未来へつなぐために

COBOLという資産は、長年の知恵と努力が詰まった企業の「宝箱」です。 クラウド対応は、その宝箱を古びた倉庫(古いメインフレーム)から、最新の警備が整った巨大なデータセンター(クラウド)へ移し替える作業です。

「古いから捨てる」のではなく「価値があるからこそ、新しい場所で活かす」。 クラウドという翼を手に入れることで、COBOLはこれからも、私たちの社会やビジネスを影から支え続ける強力な武器であり続けます。

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