カテゴリ: COBOL 更新日: 2026/02/21

COBOLモダナイゼーション成功の鍵!プロジェクトマネジメントの基本と進め方

モダナイゼーション時のプロジェクトマネジメント
モダナイゼーション時のプロジェクトマネジメント

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、古いCOBOLのシステムを新しくする『モダナイゼーション』って、普通のシステム開発と何か違うんですか?」

先生

「とても鋭い視点です。単に新しく作るのではなく、『今動いているものを壊さずに、未来へ繋ぐ』という難しさがあるんですよ。」

生徒

「それを指揮するのがプロジェクトマネジメントの役割なんですね。具体的にはどんなことに気をつければいいんでしょうか?」

先生

「大きな船を安全に新しい港へ導くような仕事です。成功させるための大切なポイントを、初心者の方にも分かりやすくお話しします!」

1. モダナイゼーション時のプロジェクトマネジメントとは?

1. モダナイゼーション時のプロジェクトマネジメントとは?
1. モダナイゼーション時のプロジェクトマネジメントとは?

プロジェクトマネジメント(Project Management)とは、目標を達成するために「いつまでに」「誰が」「何を」「どれくらいの予算で」やるかを計画し、実行を管理することです。

COBOLのレガシー資産(古いシステム)を最新化するモダナイゼーションは、一般的な開発に比べてリスクが非常に高いと言われています。 パソコンを触ったことがない方へ例えると、「歴史ある巨大な木造旅館を、宿泊客を通したまま、少しずつ最新の耐震ビルに建て替える」ような作業です。 旅館の伝統(業務ルール)を守りながら、設備(IT環境)だけを最新にするため、非常に細やかな管理が求められます。

2. プロジェクトを成功に導く「3つの管理ポイント」

2. プロジェクトを成功に導く「3つの管理ポイント」
2. プロジェクトを成功に導く「3つの管理ポイント」

モダナイゼーション特有の難しさを乗り越えるために、マネージャーが特に意識すべき柱が3つあります。

① 範囲(スコープ)の管理

「どこまで新しくするか」を明確にすることです。古いシステムには、実はもう使われていないプログラムや、誰も理由を知らない謎の計算ルールがたくさん眠っています。 これらをすべて新しくしようとすると、時間もお金も足りなくなります。「捨てる勇気」を持って、本当に必要なものだけを移行対象に絞り込むことが大切です。

② リスクの管理

「もし失敗したらどうするか」を事前に考えておくことです。特にCOBOLの移行では、動かしてみるまで分からない不具合が必ずと言っていいほど出てきます。 「何かあったときは前のシステムにすぐ戻せるか?」「予備の時間は確保しているか?」といった準備が、プロジェクトの生死を分けます。

③ 品質の管理

「新しくなったのに計算が合わない」という事態は絶対に避けなければなりません。 新旧のシステムで同じデータを流し、結果が1円の狂いもなく一致するかを確認する「現新比較テスト」の計画を、プロジェクトの最初から立てておく必要があります。

3. プロジェクトマネジメントの具体的な流れ

3. プロジェクトマネジメントの具体的な流れ
3. プロジェクトマネジメントの具体的な流れ

モダナイゼーションは、以下のフェーズ(段階)に分けて進めるのが一般的です。

1. 現状分析(アセスメント)

今、どんなプログラムが何本動いているのかを棚卸しします。ドキュメント(設計図)がない場合、プログラムを解析して中身を解明する「リバースエンジニアリング」もここで行います。

2. 戦略策定(ロードマップ)

全部を一気に作り変える「ビッグバン移行」か、少しずつ進める「段階的移行」かを決めます。予算や期限に合わせて、最適なルートを地図(ロードマップ)に描きます。

3. 実行(開発・移行)

実際にプログラムを書き換えたり、クラウドなどの新しい環境へ移したりします。進捗が遅れていないか、毎日チェックします。

4. 検証(テスト)

一番時間のかかる重要な場所です。大量のデータを使って、正しく動くことを徹底的に確認します。マネージャーはここで「合格」を出す重い責任を負います。

[Image of project management lifecycle phases]

4. 初心者が知っておきたい専門用語解説

4. 初心者が知っておきたい専門用語解説
4. 初心者が知っておきたい専門用語解説

打ち合わせでよく出てくる言葉を、簡単なイメージで解説します。

ステークホルダー
プロジェクトに関わるすべての人(社長、現場の社員、外注先など)のことです。みんなの意見をまとめるのがマネージャーの腕の見せ所です。
WBS(ダブリュービーエス)
やるべき作業を細かく分解した「TODOリスト」のようなものです。これがないと、誰が何をやっているか分からなくなります。
リソース
「資源」という意味ですが、ITの世界では主に「働く人」や「予算」のことを指します。
マイルストーン
マラソンの給水ポイントのような「中継地点」です。「○月までに分析を終わらせる」といった大きな目標を指します。

5. COBOLコードで見落としがちなマネジメントの罠

5. COBOLコードで見落としがちなマネジメントの罠
5. COBOLコードで見落としがちなマネジメントの罠

マネジメントの視点では、プログラムの細かな書き方よりも「共通のルール」が守られているかが重要です。 例えば、以下のようなコードがあったとき、マネージャーは「この日付の形式は他のプログラムと共通か?」と疑う必要があります。


* 日付の計算ルール。独自に書くと後のテストで苦労する
       MOVE FUNCTION CURRENT-DATE TO CURRENT-DATE-FIELDS.
       IF CURRENT-YEAR < 2026 THEN
           DISPLAY "古いデータとして処理します。"
       END-IF.

こうした細かいルールが各プログラムでバラバラだと、後で集計したときに計算が合わなくなります。 マネージャーは、開発チーム全員が同じルールで書いているかを管理する「標準化」の責任も持っています。

6. コミュニケーションが成功の最大要因

6. コミュニケーションが成功の最大要因
6. コミュニケーションが成功の最大要因

意外かもしれませんが、どんなに優れたツールを使っても、最後は「人との会話」が成否を決めます。 特にCOBOLの現場では、数十年前の仕様を知っている「ベテランの方」と、最新技術に強い「若手の方」が協力し合う必要があります。

ベテランの知識を引き出し、若手の技術を活かす。 そんな橋渡しができるマネージャーがいれば、どんなに古くて複雑なシステムでも、必ず新しい時代へ生まれ変わらせることができます。

モダナイゼーションは、技術の更新であると同時に、会社の「知識の継承」でもあるのです。 この大きな節目を管理し、次世代へバトンを繋ぐのがプロジェクトマネジメントの真髄です。

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