カテゴリ: C# 更新日: 2026/02/14

C#のトランザクション処理を完全ガイド!初心者でもわかるCommit・Rollbackの使い方

C#でトランザクションを実装する方法(Commit・Rollback)
C#でトランザクションを実装する方法(Commit・Rollback)

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「C#でデータベース操作をするとき、途中でエラーが起きたらどうすればいいんですか?」

先生

「そんなときは、トランザクションという仕組みを使います。トランザクションを使えば、複数の処理をひとまとまりとして扱い、途中でエラーが起きたら全部なかったことにできるんです。」

生徒

「なかったことにできるんですか?それは便利ですね!」

先生

「はい。CommitやRollbackといった機能を使って、データの整合性を保つことができます。それでは、詳しく見ていきましょう!」

1. トランザクションとは?

1. トランザクションとは?
1. トランザクションとは?

トランザクションとは、データベース操作において、複数の処理をひとまとまりとして扱う仕組みのことです。例えば、銀行の振込を考えてみましょう。Aさんの口座から1万円を引き出して、Bさんの口座に1万円を入金する、という処理があったとします。

もし、Aさんの口座からお金を引き出すことには成功したけれど、Bさんの口座への入金でエラーが起きてしまったらどうでしょうか?1万円が消えてしまいますよね。これは大変なことです。

トランザクションを使うと、「引き出し」と「入金」の両方が成功したときだけ処理を確定させ、どちらかが失敗したら両方ともなかったことにする、ということができます。このように、データの整合性を保つために、トランザクションは非常に重要な役割を果たします。

C#では、ADO.NETやEntity Frameworkを使ってトランザクション処理を実装することができます。ADO.NETは、データベースに直接アクセスするための基本的な技術です。Entity Frameworkは、データベース操作をより簡単に行えるようにしたフレームワークです。

2. Commit(コミット)とRollback(ロールバック)の役割

2. Commit(コミット)とRollback(ロールバック)の役割
2. Commit(コミット)とRollback(ロールバック)の役割

トランザクション処理では、CommitRollbackという2つの重要な操作があります。

Commit(コミット)は、トランザクション内で行ったすべての処理を確定させる操作です。つまり、「この処理は成功したので、データベースに反映させます」という意味になります。コミットを実行すると、データベースに変更が保存されます。

Rollback(ロールバック)は、トランザクション内で行った処理をすべて取り消す操作です。つまり、「この処理は失敗したので、すべてなかったことにします」という意味になります。ロールバックを実行すると、トランザクション開始前の状態に戻ります。

この2つの操作を使い分けることで、データの整合性を確保しながら、安全にデータベース操作を行うことができます。プログラムでエラーが発生した場合には自動的にRollbackを実行し、すべての処理が正常に完了した場合にはCommitを実行する、という流れが一般的です。

3. ADO.NETでトランザクションを実装する基本的な方法

3. ADO.NETでトランザクションを実装する基本的な方法
3. ADO.NETでトランザクションを実装する基本的な方法

それでは、実際にC#のADO.NETを使ってトランザクションを実装してみましょう。ADO.NETでは、SqlConnectionクラスとSqlTransactionクラスを使ってトランザクション処理を行います。

まず、データベース接続を確立したあと、BeginTransactionメソッドを呼び出してトランザクションを開始します。そして、すべての処理が成功したらCommitメソッドを、エラーが発生したらRollbackメソッドを呼び出します。

以下は、ADO.NETを使った基本的なトランザクション処理のサンプルコードです。このコードでは、2つのSQL文を実行し、両方が成功したときだけCommitを実行しています。


using System;
using System.Data.SqlClient;

class Program
{
    static void Main()
    {
        // データベース接続文字列
        string connectionString = "Server=localhost;Database=SampleDB;Trusted_Connection=True;";
        
        // SqlConnectionオブジェクトを作成
        using (SqlConnection connection = new SqlConnection(connectionString))
        {
            // データベースに接続
            connection.Open();
            
            // トランザクションを開始
            SqlTransaction transaction = connection.BeginTransaction();
            
            try
            {
                // 1つ目のSQL文を実行
                SqlCommand command1 = new SqlCommand("UPDATE Accounts SET Balance = Balance - 10000 WHERE AccountId = 1", connection, transaction);
                command1.ExecuteNonQuery();
                
                // 2つ目のSQL文を実行
                SqlCommand command2 = new SqlCommand("UPDATE Accounts SET Balance = Balance + 10000 WHERE AccountId = 2", connection, transaction);
                command2.ExecuteNonQuery();
                
                // すべて成功したのでCommit
                transaction.Commit();
                Console.WriteLine("トランザクションが正常に完了しました。");
            }
            catch (Exception ex)
            {
                // エラーが発生したのでRollback
                transaction.Rollback();
                Console.WriteLine("エラーが発生したため、トランザクションをロールバックしました。");
                Console.WriteLine("エラー内容: " + ex.Message);
            }
        }
    }
}

このコードでは、try-catch文を使ってエラー処理を行っています。tryブロック内の処理が成功すればCommitが実行され、エラーが発生すればcatchブロックでRollbackが実行されます。

4. トランザクション分離レベルとは

4. トランザクション分離レベルとは
4. トランザクション分離レベルとは

トランザクションには、分離レベル(Isolation Level)という概念があります。分離レベルとは、複数のトランザクションが同時に実行されているとき、それぞれのトランザクションがどの程度独立して動作するかを定める設定です。

例えば、Aさんがデータベースのある行を読み取っている最中に、Bさんがその行を更新しようとしたらどうなるでしょうか?分離レベルによって、この動作が変わってきます。

C#では、BeginTransactionメソッドの引数にIsolationLevelを指定することで、分離レベルを設定できます。主な分離レベルには、以下のようなものがあります。

  • ReadUncommitted: 他のトランザクションがコミットしていないデータも読み取れます。
  • ReadCommitted: 他のトランザクションがコミットしたデータだけを読み取れます。
  • RepeatableRead: トランザクション中に同じデータを何度読み取っても、同じ結果が得られます。
  • Serializable: 最も厳格な分離レベルで、トランザクションを完全に独立させます。

一般的には、ReadCommittedがよく使われます。これは、コミットされていないデータを読み取らないようにするための設定です。


using System;
using System.Data;
using System.Data.SqlClient;

class Program
{
    static void Main()
    {
        string connectionString = "Server=localhost;Database=SampleDB;Trusted_Connection=True;";
        
        using (SqlConnection connection = new SqlConnection(connectionString))
        {
            connection.Open();
            
            // 分離レベルを指定してトランザクションを開始
            SqlTransaction transaction = connection.BeginTransaction(IsolationLevel.ReadCommitted);
            
            try
            {
                SqlCommand command = new SqlCommand("INSERT INTO Products (Name, Price) VALUES ('新商品', 1500)", connection, transaction);
                command.ExecuteNonQuery();
                
                // トランザクションをコミット
                transaction.Commit();
                Console.WriteLine("商品が正常に登録されました。");
            }
            catch (Exception ex)
            {
                // エラー時はロールバック
                transaction.Rollback();
                Console.WriteLine("エラーが発生しました: " + ex.Message);
            }
        }
    }
}

このコードでは、IsolationLevel.ReadCommittedを指定してトランザクションを開始しています。これにより、他のトランザクションがコミットしたデータだけを読み取るようになります。

5. Entity Frameworkでトランザクションを実装する方法

5. Entity Frameworkでトランザクションを実装する方法
5. Entity Frameworkでトランザクションを実装する方法

Entity Frameworkは、データベース操作をより簡単に行うためのフレームワークです。Entity Frameworkでは、DbContextクラスのDatabase.BeginTransactionメソッドを使ってトランザクション処理を実装できます。

Entity Frameworkを使うと、SQL文を直接書かなくても、C#のオブジェクト操作だけでデータベースを扱えるようになります。この仕組みをO/Rマッピング(Object-Relational Mapping)と呼びます。

以下は、Entity Frameworkを使ったトランザクション処理のサンプルコードです。このコードでは、複数のエンティティ(データベースのテーブルに対応するC#のクラス)を操作し、すべて成功したらCommitを実行しています。


using System;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;

class Program
{
    static void Main()
    {
        using (var context = new MyDbContext())
        {
            // トランザクションを開始
            using (var transaction = context.Database.BeginTransaction())
            {
                try
                {
                    // 新しい顧客を追加
                    var customer = new Customer { Name = "田中太郎", Email = "tanaka@example.com" };
                    context.Customers.Add(customer);
                    context.SaveChanges();
                    
                    // 新しい注文を追加
                    var order = new Order { CustomerId = customer.Id, TotalAmount = 5000 };
                    context.Orders.Add(order);
                    context.SaveChanges();
                    
                    // すべて成功したのでCommit
                    transaction.Commit();
                    Console.WriteLine("顧客と注文が正常に登録されました。");
                }
                catch (Exception ex)
                {
                    // エラーが発生したのでRollback
                    transaction.Rollback();
                    Console.WriteLine("エラーが発生したため、処理を取り消しました。");
                    Console.WriteLine("エラー内容: " + ex.Message);
                }
            }
        }
    }
}

Entity Frameworkでは、SaveChangesメソッドを呼び出すことで、変更をデータベースに反映させます。トランザクション内で複数回SaveChangesを呼び出しても、Commitを実行するまではデータベースに確定されません。

6. トランザクションのベストプラクティス

6. トランザクションのベストプラクティス
6. トランザクションのベストプラクティス

トランザクション処理を実装する際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらを守ることで、より安全で効率的なプログラムを作ることができます。

1. トランザクションは短く保つ
トランザクションが長時間実行されると、他の処理がブロックされてしまう可能性があります。必要最小限の処理だけをトランザクション内で行うようにしましょう。

2. 必ずtry-catchでエラー処理を行う
エラーが発生したときに、必ずRollbackを実行するようにしましょう。エラー処理を忘れると、データが中途半端な状態になってしまう可能性があります。

3. usingステートメントを活用する
usingステートメントを使うと、トランザクションやデータベース接続を自動的にクローズしてくれます。これにより、リソースリークを防ぐことができます。

4. ネストしたトランザクションに注意する
トランザクションの中で別のトランザクションを開始すると、予期しない動作が発生する可能性があります。可能な限り、トランザクションはネストさせないようにしましょう。

7. 実践的なトランザクション処理の例

7. 実践的なトランザクション処理の例
7. 実践的なトランザクション処理の例

ここでは、より実践的なトランザクション処理の例を見てみましょう。ECサイトで商品を購入するときのような、複雑な処理を想定したサンプルコードです。

このコードでは、在庫の確認、在庫の減少、注文の作成、という3つの処理を1つのトランザクションとして扱っています。どれか1つでも失敗したら、すべての処理をロールバックします。


using System;
using System.Data.SqlClient;

class Program
{
    static void Main()
    {
        string connectionString = "Server=localhost;Database=ShopDB;Trusted_Connection=True;";
        int productId = 1;
        int quantity = 3;
        
        using (SqlConnection connection = new SqlConnection(connectionString))
        {
            connection.Open();
            SqlTransaction transaction = connection.BeginTransaction();
            
            try
            {
                // 在庫を確認
                SqlCommand checkCommand = new SqlCommand(
                    "SELECT Stock FROM Products WHERE ProductId = @ProductId", 
                    connection, transaction);
                checkCommand.Parameters.AddWithValue("@ProductId", productId);
                int stock = (int)checkCommand.ExecuteScalar();
                
                if (stock < quantity)
                {
                    throw new Exception("在庫が不足しています。");
                }
                
                // 在庫を減らす
                SqlCommand updateCommand = new SqlCommand(
                    "UPDATE Products SET Stock = Stock - @Quantity WHERE ProductId = @ProductId", 
                    connection, transaction);
                updateCommand.Parameters.AddWithValue("@Quantity", quantity);
                updateCommand.Parameters.AddWithValue("@ProductId", productId);
                updateCommand.ExecuteNonQuery();
                
                // 注文を作成
                SqlCommand insertCommand = new SqlCommand(
                    "INSERT INTO Orders (ProductId, Quantity, OrderDate) VALUES (@ProductId, @Quantity, @OrderDate)", 
                    connection, transaction);
                insertCommand.Parameters.AddWithValue("@ProductId", productId);
                insertCommand.Parameters.AddWithValue("@Quantity", quantity);
                insertCommand.Parameters.AddWithValue("@OrderDate", DateTime.Now);
                insertCommand.ExecuteNonQuery();
                
                // すべて成功したのでCommit
                transaction.Commit();
                Console.WriteLine("注文が完了しました。");
            }
            catch (Exception ex)
            {
                // エラーが発生したのでRollback
                transaction.Rollback();
                Console.WriteLine("注文処理に失敗しました: " + ex.Message);
            }
        }
    }
}

このコードでは、在庫不足の場合はExceptionを投げて、意図的にエラーを発生させています。これにより、在庫の減少や注文の作成がロールバックされ、データの整合性が保たれます。

8. トランザクション処理でよくあるエラーと対処法

8. トランザクション処理でよくあるエラーと対処法
8. トランザクション処理でよくあるエラーと対処法

トランザクション処理を実装していると、いくつかの一般的なエラーに遭遇することがあります。ここでは、よくあるエラーとその対処法を紹介します。

エラー1: トランザクションがすでにコミットまたはロールバックされています
このエラーは、同じトランザクションに対して2回以上CommitやRollbackを呼び出したときに発生します。トランザクションは一度しかCommitまたはRollbackできないので、処理の流れを見直しましょう。

エラー2: 接続が閉じられています
トランザクションを使用する前に、データベース接続が開いているか確認しましょう。usingステートメントを使うと、接続を自動的に管理してくれるので便利です。

エラー3: デッドロックが発生しました
デッドロックとは、複数のトランザクションがお互いにリソースを待ち合ってしまい、どちらも進めなくなる状態のことです。トランザクションを短く保つことで、デッドロックのリスクを減らすことができます。

エラー4: タイムアウトエラー
トランザクションの処理に時間がかかりすぎると、タイムアウトエラーが発生します。処理を最適化するか、タイムアウト時間を延長することで対処できます。

9. トランザクション処理のパフォーマンスを向上させるコツ

9. トランザクション処理のパフォーマンスを向上させるコツ
9. トランザクション処理のパフォーマンスを向上させるコツ

トランザクション処理は、データの整合性を保つために非常に重要ですが、使い方によってはパフォーマンスに影響を与える可能性があります。ここでは、パフォーマンスを向上させるためのコツを紹介します。

バッチ処理を活用する
大量のデータを処理する場合は、1つずつトランザクションを開始するのではなく、複数のデータをまとめて処理することで、パフォーマンスが向上します。

インデックスを適切に設定する
データベースのテーブルに適切なインデックスを設定することで、検索や更新の速度が向上します。特に、WHERエ句でよく使用するカラムにはインデックスを設定しましょう。

不要なロックを避ける
トランザクション内で不要なSELECT文を実行すると、ロックが発生してしまいます。必要最小限のデータだけを取得するようにしましょう。

接続プーリングを利用する
データベース接続の確立には時間がかかります。接続プーリングを使うと、既存の接続を再利用できるため、パフォーマンスが向上します。ADO.NETでは、デフォルトで接続プーリングが有効になっています。

10. トランザクション処理を使う際の注意点

10. トランザクション処理を使う際の注意点
10. トランザクション処理を使う際の注意点

最後に、トランザクション処理を使う際の注意点をまとめておきます。これらを理解しておくことで、より安全なプログラムを作ることができます。

トランザクションスコープを適切に設定する
トランザクションのスコープが広すぎると、他の処理に影響を与える可能性があります。必要な処理だけをトランザクション内に含めるようにしましょう。

例外処理を必ず実装する
トランザクション処理では、必ず例外処理を実装しましょう。エラーが発生したときに適切にロールバックしないと、データベースが不整合な状態になってしまいます。

ログを記録する
トランザクションの成功や失敗を記録しておくと、後でトラブルシューティングをするときに役立ちます。特に、エラーが発生したときの情報は詳しく記録しておきましょう。

テストを十分に行う
トランザクション処理は、エラーハンドリングが複雑になりがちです。さまざまなシナリオでテストを行い、すべてのパターンで正しく動作することを確認しましょう。

トランザクション処理は、データベースを扱う上で欠かせない技術です。CommitとRollbackを適切に使い分けることで、データの整合性を保ちながら、安全なアプリケーションを開発することができます。最初は難しく感じるかもしれませんが、実際に手を動かしてコードを書いてみることで、少しずつ理解が深まっていきます。ぜひ、この記事のサンプルコードを参考に、トランザクション処理を実践してみてください。

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