COBOLのENVIRONMENT DIVISIONとは?初心者でもわかる環境設定の基本ガイド
生徒
「COBOLのプログラムを作るとき、ENVIRONMENT DIVISIONって出てきたんですけど、何ですか?」
先生
「ENVIRONMENT DIVISIONは、COBOLで使うパソコンやファイルの設定を行う部分です。」
生徒
「パソコンの設定って、具体的にはどんなことをするんですか?」
先生
「例えば、ファイルの名前や場所、どんな端末を使うかなどを指定します。では、詳しく見ていきましょう!」
1. ENVIRONMENT DIVISIONとは?
COBOL(コボル)のプログラムでは、大きく4つの「部(DIVISION)」に分かれています。その中で、ENVIRONMENT DIVISION(エンバイロメント・ディビジョン)は、パソコンやOS、入力・出力に使う機器やファイルの情報を指定する部分です。
たとえば、「どのファイルを読み込むか」「どのプリンターに出力するか」といったことを設定します。つまり、プログラムが実際にどんな環境で動作するかを伝える役割を持っています。
この部分は、普段パソコンでいうと「設定」や「オプション」にあたる場所です。ファイルの場所や、使う機器の名前などをここに書きます。
2. ENVIRONMENT DIVISIONの中の構造
ENVIRONMENT DIVISIONの中には、主に2つの「セクション(SECTION)」があります:
- CONFIGURATION SECTION(コンフィギュレーション・セクション)
- INPUT-OUTPUT SECTION(インプット・アウトプット・セクション)
これらのセクションの中に、さらに細かい情報を記述する「句(く)」があります。
3. CONFIGURATION SECTIONとは?
CONFIGURATION SECTIONでは、主に次の2つの情報を設定します。
- SOURCE-COMPUTER句(ソース・コンピュータ・く)
- OBJECT-COMPUTER句(オブジェクト・コンピュータ・く)
それぞれを分かりやすく解説します。
SOURCE-COMPUTER句とは?
このプログラムがどんなパソコンやシステムで作られたのかを指定します。初心者の場合は、「汎用(はんよう)」というキーワードを使うことが多いです。
ENVIRONMENT DIVISION.
CONFIGURATION SECTION.
SOURCE-COMPUTER. 汎用.
OBJECT-COMPUTER句とは?
作ったプログラムがどこで動くのかを指定します。こちらも「汎用」と書いておけば、ほとんどのシステムで使えるようになります。
OBJECT-COMPUTER. 汎用.
※「汎用(はんよう)」とは、「いろいろな場所で使える」という意味です。
4. INPUT-OUTPUT SECTIONとは?
ここでは、どのファイルを使うか、どうやってファイルを読み書きするかを設定します。
特に大事なのが、FILE-CONTROL句です。
FILE-CONTROL句とは?
使いたいファイルの名前と、そのファイルをどうやって開くか(読み込みか、書き込みかなど)を指定します。
たとえば、社員データを入れたファイルを読み込みたい場合、次のように書きます。
INPUT-OUTPUT SECTION.
FILE-CONTROL.
SELECT 社員ファイル ASSIGN TO "shain.txt".
この例では、社員ファイルという名前のファイルが、パソコンの中のshain.txtというファイルとつながっている、という意味になります。
ASSIGN TOの右側には、実際のファイル名やパス(場所)を書きます。
5. 実際のENVIRONMENT DIVISION全体の例
これまで紹介してきた内容をまとめた、ENVIRONMENT DIVISIONの実際の例を見てみましょう。
ENVIRONMENT DIVISION.
CONFIGURATION SECTION.
SOURCE-COMPUTER. 汎用.
OBJECT-COMPUTER. 汎用.
INPUT-OUTPUT SECTION.
FILE-CONTROL.
SELECT 社員ファイル ASSIGN TO "shain.txt".
このコードで、「汎用的なパソコンで動作するCOBOLプログラムが、shain.txtというファイルを社員ファイルとして使う」という意味になります。
6. 初心者が気をつけたいポイント
- ENVIRONMENT DIVISIONは必ず最初に書きます(IDENTIFICATION DIVISIONの次)
- セクション名(CONFIGURATION SECTIONなど)や句の名前は必ずピリオド(.)で終わります
- スペルミスに注意(特に「COMPUTER」や「SECTION」など)
これらのポイントを押さえることで、エラーの少ないCOBOLプログラムを書くことができます。
7. ENVIRONMENT DIVISIONとファイル処理の関係
ENVIRONMENT DIVISIONは、ファイル処理を行うための準備段階として重要です。プログラムがどんなファイルを使うか、どこに保存されているか、を明確にする必要があるためです。
実際のファイルの読み書きは、次の「DATA DIVISION」や「PROCEDURE DIVISION」で行いますが、その前にENVIRONMENT DIVISIONで「どのファイルを使うのか」を指定しておかなければいけません。
まとめ
COBOLのENVIRONMENT DIVISIONは、見慣れない英語が並んでいるので最初は難しく感じられますが、内容そのものはとても素直で、プログラムがどの環境で動くのかを静かに教えてあげる大切な場所です。環境というと聞き慣れないことばに思えますが、実際には「どんなパソコンで作られたか」「どんなパソコンで動かすか」「どのファイルを使うか」「そのファイルはどこにあるか」といった、当たり前のようで重要な情報ばかりです。COBOLはお金の計算や帳票の出力などに強い言語なので、さまざまなファイルとつながりながら仕事をすることが多く、ENVIRONMENT DIVISIONを正しく書けるようになると、業務向けプログラムに近づいた実感をえられます。
特にCONFIGURATION SECTIONでは「SOURCE-COMPUTER」「OBJECT-COMPUTER」というふたつの句が使われます。名前だけ聞くと難しそうですが、「どのコンピュータで作ったのか」「どのコンピュータで実行するのか」という簡単な意味です。初心者のうちに覚えておきたいのは、初歩的な学習ではほとんどの場合「汎用」と書いておけば問題なく動くという点です。つまり、特別な設定を覚えていなくても学習は進められます。慣れてくれば専用機の名前や特定の機器を指定する場面もありますが、まずは基本を確実に身につけることが大切です。
次にINPUT-OUTPUT SECTIONです。ここでは、ファイルをどう扱うかを指定します。ファイルを読み込みたいのか、書き込みたいのか、あるいは名前だけ登録しておきたいのかという情報を、COBOLに教えてあげます。特にFILE-CONTROL句は、使いたいファイルと実際のファイル名を結びつける重要な場所で、「SELECT ファイル名 ASSIGN TO ○○」という形で使います。この書き方は一度身につければ応用がきくため、しっかりと体になじませておきたいところです。「社員ファイル」や「商品ファイル」といった分かりやすい名前を使うことで、そのあとのDATA DIVISIONやPROCEDURE DIVISIONで迷わず処理を進められます。
ENVIRONMENT DIVISIONは表に出て動き回る主役ではなく、舞台裏で準備を整える縁の下の力持ちのような存在です。しかしこの支えがなければ、ファイルを開こうとしても何を使ってよいかわからず、計算をしたくても入力元のデータが迷子になってしまいます。丁寧な環境設定ができているプログラムは、後から読む人にもやさしく、エラーも少なく、実務で信頼されます。こうした細かな積み重ねが、堅牢なシステム開発につながっていきます。
ここまでの流れをひとつのサンプルとしてまとめると、次のようになります。これは社員ファイルを読み取る準備を整えた、典型的なENVIRONMENT DIVISIONの構成例です。
ENVIRONMENT DIVISION.
CONFIGURATION SECTION.
SOURCE-COMPUTER. 汎用.
OBJECT-COMPUTER. 汎用.
INPUT-OUTPUT SECTION.
FILE-CONTROL.
SELECT 社員ファイル ASSIGN TO "shain.txt".
この例では、汎用コンピュータで作られたプログラムが、そのまま汎用コンピュータで動くという設定になっています。そして「社員ファイル」という名前の論理的なファイルが、実際のパソコンの中にある「shain.txt」と結びついています。つまり、プログラムの中では社員ファイルと書けばよく、パソコンではshain.txtというファイルが使われます。このように、人が分かりやすい名前と、パソコンが分かりやすいファイル名とを両方つなぐことで、読みやすく整ったプログラムになります。
さらに実務では、社員データや給与データ、請求データなど、複数のファイルを同時に扱うことも少なくありません。そのような場面では、ENVIRONMENT DIVISIONに複数のSELECT文が並んで、どのファイルがどこにあるのかをわかりやすく整理します。後から増えたファイルを追加したり、仕様変更でファイル名が変わったときにも、この部分さえ直せばプログラム全体を大きく書き換えずにすむため、とても効率的です。
反対にここをいいかげんに書いてしまうと、読み込むはずのファイルが開けなかったり、出力結果を保存できなかったりします。プログラムはどこかで問題が起きると処理が止まります。だからこそ、ENVIRONMENT DIVISIONの正確さは、目立たないながらも欠かすことができません。経験のある開発者は、まず最初にこの部分をしっかり整えることで、安心して後の処理を書いていきます。
そして、ENVIRONMENT DIVISIONはDATA DIVISIONやPROCEDURE DIVISIONと連携して、ひとつの流れを作ります。ENVIRONMENT DIVISIONで「どんなファイルを使うか」を決め、DATA DIVISIONで「どんな形のデータが入るか」を用意し、PROCEDURE DIVISIONで「どう処理するか」を書くという仕組みです。この順序を理解しておくと、COBOLのプログラム全体がひとまとまりとして見えるようになり、苦手意識も薄れていきます。
はじめのうちは決まり文句のように感じるかもしれませんが、慣れてくると「環境の指定」という考え方そのものがとても便利なことに気づきます。環境を決め、ファイルを指定し、処理につなげる。この手順を静かに確実に積み上げることで、大規模な業務プログラムにも対応できる力が身につきます。ENVIRONMENT DIVISIONはCOBOLの基礎の中でも特に重要な位置にあり、深く理解しておくことで、あらゆる場面で自信を持ってプログラムを書けるようになります。
生徒
「ENVIRONMENT DIVISIONは、ただ決まりだから書く場所じゃなくて、ちゃんと意味がある場所だったんですね!」
先生
「そうだよ。どのファイルを使うか分からないままでは、プログラムは正しく動けないからね。環境を教えてあげることはとても大切なんだ。」
生徒
「SELECTでファイル名を割り当てる書き方も分かりやすかったです。人が読みやすい名前と、パソコンにとってのファイル名を結びつけているんですね。」
先生
「そのとおり。こうすることで後から見ても理解しやすくなるし、修正が必要なときにも便利なんだよ。」
生徒
「次は、DATA DIVISIONやPROCEDURE DIVISIONと組み合わせて、実際にファイルを読み書きするプログラムを作ってみたいです!」
先生
「いいね。ENVIRONMENT DIVISIONを理解できたなら、その先の処理もきっとスムーズに書けるようになるよ。」