COBOLのPROCEDURE DIVISIONを徹底解説!初心者でも理解できる処理の流れと構成
生徒
「COBOLって、どこに命令を書くんですか? どこからプログラムが動き出すんですか?」
先生
「いい質問ですね。COBOLの命令は、主にPROCEDURE DIVISION(プロシージャ部)
という場所に書きます。ここが処理のスタート地点です。」
生徒
「プロシージャ部って何ですか? 難しそう…」
先生
「安心してください。ひとつひとつ丁寧に説明していきますよ。処理の流れも一緒に見ていきましょう!」
1. PROCEDURE DIVISIONとは?
PROCEDURE DIVISION
(プロシージャ部)は、COBOLプログラムの中で実際の「処理の命令」を書く場所です。ここに書かれた命令が、上から順番に実行されます。
例えば、「画面に文字を表示する」「データを入力する」「計算をする」といった命令は、すべてこのPROCEDURE DIVISION
に記述します。
COBOLでは、最初にプログラムのタイトルや使うファイルなどを指定してから、最後にこのプロシージャ部で命令を実行します。
2. PROCEDURE DIVISIONの基本構成
PROCEDURE DIVISION
の構成はとてもシンプルで、以下のようになります。
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "こんにちは、COBOLの世界!".
STOP RUN.
この例では、1行目でPROCEDURE DIVISION.
と書いて、命令のブロックを開始します。
その下にDISPLAY
文を使って、画面に文字を表示しています。DISPLAY
は「表示する」という意味の命令です。
最後にあるSTOP RUN.
は、「プログラムを終了する」という意味の命令です。
こんにちは、COBOLの世界!
3. 処理の流れは「上から下」
COBOLのPROCEDURE DIVISION
に書かれた命令は、基本的に「上から下へ」順番に実行されます。これは、紙に書かれたレシピを順番に読み進めるようなものです。
たとえば、次のようなプログラムでは、順番に3つのメッセージが表示されます。
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "おはようございます".
DISPLAY "今日は良い天気ですね".
DISPLAY "COBOLの勉強を始めましょう".
STOP RUN.
おはようございます
今日は良い天気ですね
COBOLの勉強を始めましょう
このように、上から順番に命令が実行されていくため、プログラムの流れをイメージしやすく、初心者でもとっつきやすい構造になっています。
4. セクションとパラグラフとは?
COBOLでは、PROCEDURE DIVISION
の中で命令をグループ化するために、「セクション(Section)」や「パラグラフ(Paragraph)」という単位を使うことがあります。
簡単に言うと、これは「見出しをつけた段落」のようなもので、プログラムを読みやすく、整理しやすくするための仕組みです。
PROCEDURE DIVISION.
START-PROGRAM.
DISPLAY "処理を開始します".
PERFORM SHOW-MESSAGE.
STOP RUN.
SHOW-MESSAGE.
DISPLAY "これはパラグラフの例です".
処理を開始します
これはパラグラフの例です
この例では、START-PROGRAM.
とSHOW-MESSAGE.
という2つのパラグラフがあります。
PERFORM
という命令を使うことで、SHOW-MESSAGE
というパラグラフを呼び出して実行しています。
「PERFORM」は「実行する」という意味の命令で、特定の処理を呼び出して再利用することができます。
5. PROCEDURE DIVISIONの実例を一緒に見てみよう
それでは、PROCEDURE DIVISION
の理解を深めるために、もう少し実用的な例を見てみましょう。以下は、名前を入力して表示する簡単なプログラムです。
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. HELLO-NAME.
ENVIRONMENT DIVISION.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 USER-NAME PIC A(20).
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "あなたの名前を入力してください:".
ACCEPT USER-NAME.
DISPLAY "こんにちは、" USER-NAME "さん!".
STOP RUN.
あなたの名前を入力してください:
(ユーザーが入力)
こんにちは、〇〇さん!
ACCEPT
という命令で、キーボードから入力を受け取ります。USER-NAME
という変数に入力された名前が入り、それをDISPLAY
で表示しています。
このように、PROCEDURE DIVISION
では、入力、表示、計算など、すべての処理の中心となる部分を記述します。
6. まとめ:PROCEDURE DIVISIONはCOBOLの心臓部
COBOLのPROCEDURE DIVISION
は、プログラムの中で処理を実行する場所であり、命令が上から順に流れていくのが特徴です。
パソコンの操作に不慣れな方でも、DISPLAY
で文字を表示したり、ACCEPT
で入力を受け取ることで、プログラムの基本的な流れを体感することができます。
また、処理をグループ化して読みやすくする「パラグラフ」や「セクション」も、COBOLならではの優しい設計です。
この記事で学んだPROCEDURE DIVISION
の構成や書き方をマスターすれば、今後のCOBOL学習にも大きな力になります。