COBOLのデバッグ・テスト総まとめ!初心者でもできるサンプル手順と実践方法
生徒
「COBOLで作ったプログラムが動かないとき、どうやって原因を見つければいいんですか?」
先生
「それが『デバッグ』の作業だよ。そして、修正後にきちんと動くか確認するのが『テスト』だね。」
生徒
「デバッグやテストって聞くと難しそうですが、初心者でもできますか?」
先生
「大丈夫。今日は初心者でもできるように、COBOLのデバッグとテストの流れを分かりやすくまとめて、サンプル手順も紹介するよ!」
1. デバッグとテストの基本
デバッグとは、プログラムの間違い(バグ)を見つけて修正する作業です。テストとは、修正や開発した機能が正しく動くかを確認する作業です。例えるなら、デバッグは「壊れた家電の原因を探す作業」、テストは「直したあとにちゃんと動くか確かめる作業」です。
COBOLは文字ベースで動く言語なので、変数の中身や処理の流れを画面に表示して確認するのが簡単です。そのため、DISPLAY文を活用したデバッグがよく行われます。
2. デバッグの手順
初心者向けの基本的なデバッグ手順は以下の通りです。
- エラーの再現:同じ条件で何度も実行し、必ず再現できる状態にする。
- 原因箇所の特定:疑わしい部分に
DISPLAY文を入れて、変数の値や処理の流れを確認する。 - 修正:原因が分かったらコードを修正する。
- 再実行:修正後に再び実行して、問題が解消されたか確認する。
3. DISPLAY文を使ったデバッグ例
例えば、計算結果が間違っているとき、途中経過をDISPLAYで表示します。
MOVE 10 TO A
MOVE 5 TO B
ADD A TO B GIVING C
DISPLAY "Aの値: " A
DISPLAY "Bの値: " B
DISPLAY "Cの計算結果: " C
これで各変数の値が確認でき、どこで間違いが起きているか判断できます。
4. テストの種類と流れ
COBOLのテストには主に以下の種類があります。
- 単体テスト:プログラムの一部分だけをテストする。
- 結合テスト:複数のプログラムをつなげて動作を確認する。
- リグレッションテスト:修正後に全体が正しく動くか再確認する。
テストの流れは、テストデータの準備 → 実行 → 結果の確認 → 修正(必要な場合) → 再テストとなります。
5. サンプル手順:年齢判定プログラムのデバッグとテスト
例として、「年齢が20歳以上なら成人、それ以外は未成年」と表示するプログラムを作り、デバッグとテストを行います。
MOVE 18 TO AGE
IF AGE >= 20 THEN
DISPLAY "あなたは成人です。"
ELSE
DISPLAY "あなたは未成年です。"
END-IF
あなたは未成年です。
次に別のテストデータを入れて確認します。
MOVE 25 TO AGE
IF AGE >= 20 THEN
DISPLAY "あなたは成人です。"
ELSE
DISPLAY "あなたは未成年です。"
END-IF
あなたは成人です。
このように、複数パターンでテストして、正しく動作するかを確かめます。
6. 効率化のためのポイント
- テストデータは事前に複数パターン用意しておく
- 重要な部分から優先してテストする
- テスト結果は記録して、次回以降の再テストに活用する
7. 習慣化のメリット
デバッグとテストを毎回きちんと行うことで、プログラムの品質が安定し、後から発生する不具合を大幅に減らせます。特にCOBOLのような長期間運用されるシステムでは、地道なテスト作業が将来のトラブル防止につながります。