カテゴリ: COBOL 更新日: 2026/01/01

COBOLのスタブ(Stub)で簡単テスト!初心者でもできる部分的テストのやり方

複雑なロジックの部分的テスト手法(スタブなど)
複雑なロジックの部分的テスト手法(スタブなど)

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、COBOLで複雑な処理があるとき、全部まとめてテストするのって大変じゃないですか?」

先生

「その通り。複雑なプログラムを一度に全部テストするのは難しいし、時間もかかります。だから『部分的テスト』っていう方法があるんだよ。」

生徒

「部分的テスト?どうやってやるんですか?」

先生

「そのときに使うのが『スタブ(Stub)』と呼ばれるテクニックなんだ。今日はそれをやさしく説明していくね。」

1. 部分的テストって何?

1. 部分的テストって何?
1. 部分的テストって何?

COBOLのようなプログラミング言語で作られたプログラムは、たいてい複数の処理(ロジック)が組み合わさってできています。たとえば「入力→計算→結果を表示」という流れの中で、「計算の部分だけを先にテストしたい」ということもあります。

このように、プログラム全体を動かさずに、ある一部分だけを切り出してテストすることを「部分的テスト」といいます。

部分的にテストすることで、間違いを早く見つけたり、修正しやすくなったりします。

2. スタブ(Stub)とは?

2. スタブ(Stub)とは?
2. スタブ(Stub)とは?

スタブ(Stub)とは、まだ作っていない部分や、テストの対象じゃない部分を仮の処理で置き換える方法です。スタブを使うことで、本来の処理が完成していなくても、他の部分を先にテストできるようになります。

スタブは、「ダミー処理」「仮の動き」などとも呼ばれます。テスト専用の「おきかえパーツ」だと思えばOKです。

たとえば、「銀行の残高計算処理」の代わりに「固定の金額を返す処理」をスタブとして作っておけば、計算部分が完成してなくても表示部分のテストができます。

3. スタブを使ったCOBOLの部分テストの例

3. スタブを使ったCOBOLの部分テストの例
3. スタブを使ったCOBOLの部分テストの例

それでは、COBOLでのスタブの使い方を見ていきましょう。以下のような処理を考えます。

  • 1. 顧客コードを入力
  • 2. 残高を計算(本来はデータベースなどを使う)
  • 3. 残高を表示

しかし、今回は「残高の表示部分だけテストしたい」としましょう。その場合、本来の「残高計算処理」はスタブで置き換えます。


IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. STUB-TEST.

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 CUSTOMER-CODE PIC X(5).
01 BALANCE        PIC 9(5)V99.

PROCEDURE DIVISION.
    DISPLAY "顧客コードを入力してください:".
    ACCEPT CUSTOMER-CODE.

    * 本来ここで複雑な残高計算があるが、スタブで固定値を設定
    MOVE 12345.67 TO BALANCE.

    DISPLAY "残高は以下のとおりです:".
    DISPLAY BALANCE.

    STOP RUN.

このように、計算部分を簡単なMOVE文に置き換えることで、表示処理のテストだけが可能になります。

実行結果の例:


顧客コードを入力してください:
A1234
残高は以下のとおりです:
12345.67

4. なぜスタブを使うと便利なのか?

4. なぜスタブを使うと便利なのか?
4. なぜスタブを使うと便利なのか?

プログラミング初心者にとって、スタブの考え方はとても便利です。以下のようなメリットがあります。

  • 他の部分が完成していなくてもテストできる
  • エラーの原因を切り分けやすい
  • テストの準備が早くできる
  • プログラムの一部分だけでも確認できる

たとえば、「データベースに接続する処理」がまだできていなくても、スタブで仮の値を返せば表示処理や計算処理のテストが先にできます。

5. スタブの作り方のポイント

5. スタブの作り方のポイント
5. スタブの作り方のポイント

スタブを作るときは、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • テストしたい部分を明確にする:どの部分の処理を確認したいのかはっきりさせます。
  • 仮のデータを固定値で用意する:毎回同じ結果になるようにします。
  • スタブと本物の処理を後で差し替えできるようにする:スタブはあくまで仮の処理です。

たとえば、以下のように分けておくと、あとから本物の処理に差し替えやすくなります。


PERFORM CALCULATE-BALANCE

...

CALCULATE-BALANCE.
    MOVE 12345.67 TO BALANCE.  *> 仮のスタブ処理

このように、処理をサブプログラム(段落)に分けておくことで、本番処理とスタブを簡単に切り替えられます。

6. スタブはデバッグにも役立つ!

6. スタブはデバッグにも役立つ!
6. スタブはデバッグにも役立つ!

スタブはテストだけでなく、デバッグ(プログラムの間違いを見つけて直す作業)にもとても便利です。

たとえば、エラーが出たとき、スタブを使って処理を切り分けることで、「どの部分に問題があるのか」をはっきりさせることができます。

特にCOBOLのような業務プログラムでは、ひとつのプログラムが長くなりがちなので、スタブを使ったデバッグはとても効果的です。

7. COBOL初心者におすすめのテストのやり方

7. COBOL初心者におすすめのテストのやり方
7. COBOL初心者におすすめのテストのやり方

ここまでの内容をふまえて、初心者がCOBOLで部分的テストを行うための流れを紹介します。

  • ① テストしたい処理を決める(例:画面に表示)
  • ② それ以外の処理をスタブで置き換える(例:MOVEで固定値)
  • ③ 実行して、結果を確認する
  • ④ 正しく動いたら、他の部分も本物の処理に戻してテストする

このように段階的にテストしていくことで、一度にたくさんのエラーに悩まされることが減ります。

まとめ

まとめ
まとめ

スタブを理解するとCOBOLのテストとデバッグが一気に楽になる

今回の記事では、COBOLにおけるスタブ(Stub)の考え方と、 初心者でも実践しやすい部分的テストの方法について詳しく学びました。 COBOLのプログラムは、業務処理や基幹システムなどで使われることが多く、 入力処理、計算処理、ファイル処理、表示処理など、 いくつものロジックが組み合わさって構成されています。 そのため、すべてが完成してから一気にテストしようとすると、 エラーの原因が分かりにくくなり、修正にも時間がかかってしまいます。

そこで役立つのがスタブです。 スタブとは、本来の処理の代わりに仮の処理や固定値を返す仕組みを用意し、 テストしたい部分だけを切り出して確認する方法です。 この考え方を取り入れることで、 「今は表示部分だけを確認したい」 「計算結果の受け取り方だけをテストしたい」 といった目的に集中できるようになります。 特にCOBOL初心者にとっては、 プログラム全体を理解しきれない段階でもテストが進められる点が、 大きな安心材料になります。

部分的テストがもたらす学習と実務のメリット

スタブを使った部分的テストには、 学習面でも実務面でも多くのメリットがあります。 学習段階では、ひとつの処理に集中できるため、 COBOLの文法や命令の意味をじっくり理解することができます。 また、エラーが発生した場合も、 スタブで処理を切り分けているため、 「どの部分に問題があるのか」を特定しやすくなります。

実務の現場でも、スタブはよく使われる考え方です。 外部システムやデータベースがまだ使えない状態でも、 仮の値を返すスタブを用意することで、 画面や帳票、後続処理の確認を先に進めることができます。 これは開発のスピードを上げるだけでなく、 修正作業の影響範囲を小さくすることにもつながります。 COBOLプログラムの品質を高めるうえで、 スタブを活用したテストは欠かせない基本技術と言えるでしょう。

まとめとしてのサンプルプログラム

最後に、スタブを使った部分的テストの考え方を整理するための シンプルなサンプルプログラムを見てみましょう。 本来は複雑な計算処理が入る部分を、 スタブとして固定値で置き換えています。


IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. STUB-SUMMARY.

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 RESULT-AMOUNT PIC 9(6)V99.

PROCEDURE DIVISION.
    DISPLAY "テスト開始".

    PERFORM GET-AMOUNT

    DISPLAY "取得した金額は:".
    DISPLAY RESULT-AMOUNT

    DISPLAY "テスト終了".
    STOP RUN.

GET-AMOUNT.
    MOVE 5000.00 TO RESULT-AMOUNT.  *> スタブ処理

このように処理を段落に分けておけば、 テスト中はスタブとして固定値を返し、 本番では本来の計算処理やファイル処理に差し替えることができます。 スタブを前提にした構成は、 プログラムの見通しを良くし、 デバッグや保守をしやすくする効果もあります。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「スタブって難しい仕組みだと思っていましたけど、 仮の値を入れてテストするだけなんですね。」

先生

「そうです。考え方はとてもシンプルですよ。 大事なのは、テストしたい部分に集中することです。」

生徒

「全部まとめて動かさなくても確認できるので、 エラーが出ても落ち着いて対応できそうです。」

先生

「その通りです。スタブを使えば、 問題の切り分けがとても楽になります。」

生徒

「これからは、いきなり全部作ろうとせずに、 部分的にテストしながら進めてみます。」

先生

「それができれば、COBOLの理解も深まりますし、 安定したプログラムが書けるようになります。 ぜひスタブを活用して学習を続けてください。」

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