カテゴリ: COBOL 更新日: 2025/11/12

COBOLのインデントと可読性の高いコードの書き方を徹底解説!初心者でも読みやすいプログラムの基本

インデントと可読性の高いコードの書き方
インデントと可読性の高いコードの書き方

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「COBOLのプログラムって、どこで改行すればいいのか分かりません。読みやすくするにはどうすればいいんですか?」

先生

「COBOLでは、インデントと呼ばれる行の先頭の空白がとても大切です。これによって、プログラム全体が見やすくなります。」

生徒

「インデントって具体的にはどうすればいいんですか?」

先生

「それでは、インデントのルールや、どうすればCOBOLのコードが読みやすくなるか、一緒に見ていきましょう!」

1. インデントとは?

1. インデントとは?
1. インデントとは?

インデントとは、プログラムの行の先頭に空白(スペース)を入れて、コードの構造を分かりやすくすることです。可読性(読みやすさ)を高めるために重要な書き方です。

特にCOBOLでは、段組みが明確に決まっているため、インデントが非常に重要になります。行の位置をそろえることで、プログラム全体の流れがはっきりと見えるようになります。

2. COBOLのインデントの基本ルール

2. COBOLのインデントの基本ルール
2. COBOLのインデントの基本ルール

COBOLでは、コードを書く位置にルールがあります。以下のように、それぞれの内容を書くカラム(列)が決まっています:

  • 1~6列目:行番号やラベル(あまり使わない)
  • 7列目:アスタリスク(*)で始めるとコメント行
  • 8列目以降:プログラムの命令を書く場所

そのため、プログラムの命令は基本的に8列目から書き始めるのがルールです。

3. インデントで構造を明確にしよう

3. インデントで構造を明確にしよう
3. インデントで構造を明確にしよう

COBOLでは、IF文やPERFORMなどの命令が入れ子(ネスト)になることがあります。このとき、インデントを使うことで、どの処理がどこに含まれているかを明確にできます。

例えば、次のような例を見てみましょう。


IF AGE >= 20 THEN
    DISPLAY "あなたは成人です。"
    PERFORM CHECK-ELIGIBILITY
END-IF

このように、IFに続く処理をインデント(字下げ)することで、構造が分かりやすくなります。

4. インデントがないとどうなる?

4. インデントがないとどうなる?
4. インデントがないとどうなる?

インデントを使わないと、どの命令がどこに属しているのか分かりにくくなります。たとえば、次のコードを見てください。


IF AGE >= 20 THEN
DISPLAY "あなたは成人です。"
PERFORM CHECK-ELIGIBILITY
END-IF

処理の範囲が分かりづらく、プログラムのミスにもつながりやすくなります。

5. インデントとコメントを合わせて使おう

5. インデントとコメントを合わせて使おう
5. インデントとコメントを合わせて使おう

さらにコードを読みやすくするために、コメントも一緒に使うと効果的です。コメントとは、プログラムの中に説明を入れるための文章です。

COBOLでは、*を使って次のように書きます:


* ユーザーの年齢をチェックする処理
IF AGE >= 20 THEN
    DISPLAY "あなたは成人です。"
END-IF

このようにコメントを適切に入れることで、自分があとから見たときにも分かりやすく、他の人にも伝わりやすいコードになります。

6. インデントでトラブルを防ぐ

6. インデントでトラブルを防ぐ
6. インデントでトラブルを防ぐ

インデントを使うことで、ミスを防ぐことにもつながります。たとえば、IF文の終わりを見逃してしまったり、どのPERFORMがどこまでか分からなくなると、正しく動作しなくなる可能性があります。

インデントを揃えておけば、こういったエラーも未然に防ぐことができます。

7. 読みやすさはプログラムの品質にもつながる

7. 読みやすさはプログラムの品質にもつながる
7. 読みやすさはプログラムの品質にもつながる

プログラムは、一度書いたら終わりではありません。あとから修正したり、別の人が読んで理解することもあります。

そのときに、インデントがきちんとしていないと、どこからどこまでが何の処理なのか分からなくなってしまいます。読みやすいコードは、ミスが少なく、保守もしやすい高品質なプログラムになります。

8. 実際にインデントを使ってみよう(サンプルコード)

8. 実際にインデントを使ってみよう(サンプルコード)
8. 実際にインデントを使ってみよう(サンプルコード)

次は、簡単なCOBOLプログラムを例にして、インデントの使い方を確認しましょう。


IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. INDENT-SAMPLE.
PROCEDURE DIVISION.
    DISPLAY "年齢を入力してください:".
    ACCEPT AGE.
    IF AGE >= 20 THEN
        DISPLAY "あなたは成人です。"
    ELSE
        DISPLAY "あなたは未成年です。"
    END-IF.
    STOP RUN.

このように、構造がはっきりしていると、読み手が迷うことなく理解できます。

まとめ

まとめ
まとめ

ここまでで、COBOLのインデントを使った読みやすいコードの書き方について、たくさんの角度から学んできました。ひとつひとつの小さな工夫が、プログラム全体の読みやすさや分かりやすさにつながるということは、実際の開発の現場でもとても大切な考え方です。とくにCOBOLは、業務システムの世界で長く利用され続けている言語ですので、後から別の開発者がプログラムを読むことも珍しくありません。だからこそ、誰が読んでも理解できるように、整理されたインデントを意識することが重要になります。インデントという言葉は聞き慣れない方もいますが、ようするにひと目で「どの処理がどこに含まれているか」を理解できるように、行の頭をそろえたり、適度に空白を入れたりする工夫のことです。

文章で説明すると難しく感じるかもしれませんが、実際にコードを目で追ってみると、インデントがあるだけで処理のまとまりがすぐに見分けられるようになります。もし、年齢によって処理を分岐するプログラムがあったとしても、インデントが整っていれば、「もし二十歳以上ならこの処理」「そうでなければこの処理」という流れをスムーズに理解できます。さらにコメントを添えることで、後からプログラムを確認する場合や、他の人に引き継ぐときにも大きな助けになります。読みやすいコードというのは、ただ正しく動くコードとは別の価値を持っていて、だれが見ても迷わず理解できることがとても大切なのです。

インデントの習慣が身に付いていないと、処理が入り組んだときに、どのIFが対応しているのか、どのPERFORMがどこまで続いているのか、見ただけでは分からなくなってしまうことがあります。ちいさな見落としでも、業務システムにとっては重大な影響につながることがあります。だからこそ、コードの見た目を整えるというのは決して飾りではなく、非常に現実的な意味を持っているのです。少しの手間をかけて整えたインデントは、長くメンテナンスされるプログラムにとって大きな価値になります。同じプログラムでも、読みやすさが違うだけで、理解にかかる時間も間違いの可能性も大きく変わってきます。

もしインデントをまったく使わないと、処理の境目がどこにあるのか見えづらくなります。同じ行がずらりと並んでいるだけでは、IF文の終わりがどこなのか、どのDISPLAYが条件に含まれているのか、ぱっと見では判断しづらくなります。だからこそ、プロフェッショナルな開発者ほど、コードの見た目を整える重要性を理解しています。初心者のうちは「動けばよい」と感じてしまうかもしれませんが、読みやすさを意識したコードは、あとで自分に返ってきます。数日後に見直したとき、自分で書いたにもかかわらず何をしているのか分からないという経験は、多くの開発者が通ってきた道でもあります。だからこそ、インデントは未来の自分を助ける大切な目印にもなります。

ここでは、ひとつ例として、インデントとコメントをしっかり入れたCOBOLのサンプルコードを振り返ってみましょう。読みやすさを意識した書き方をすると、処理の流れがすっと頭に入ってくる感覚がつかめるはずです。


* 年齢によって処理を分岐するやさしい例
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. CLEAN-SAMPLE.
PROCEDURE DIVISION.
    DISPLAY "年齢を入力してください:".
    ACCEPT AGE.
    IF AGE >= 20 THEN
        DISPLAY "あなたは成人です。".
        PERFORM ADULT-CHECK.
    ELSE
        DISPLAY "あなたは未成年です。".
    END-IF.
    STOP RUN.

ADULT-CHECK.
    DISPLAY "追加の確認を行います。".
    DISPLAY "手続きが必要な方は窓口へお進みください。".
    STOP RUN.

このように、インデントを揃え、コメントで処理の意味を書き添えることで、ひと目で全体の流れが分かるようになります。とくにIFとEND-IFの位置がそろっていると、どこまでが条件に含まれているのかが一目瞭然になります。インデントのないコードと比べると、細かい作業に見えても、読みやすさの差はとても大きいのです。プログラムは、自分の頭の中にある処理の流れを、ほかの人にも正確に伝えられることが大切です。そのための手段として、インデントは欠かすことができません。

そして、読みやすいコードはエラーの防止にも役立ちます。処理の流れが整理されていれば、どの命令がどの条件に含まれているのかを見落としにくくなります。とくにCOBOLのように業務処理がはっきりしている言語では、ひとつの行の間違いで結果が大きく変わってしまうことがあります。インデントで構造が見えていれば、「ここで条件が終わっている」「ここから別の処理が始まる」ということが自然と目に入り、間違いに気づきやすくなります。こうした細かな習慣こそが、長く安心して使われるプログラムを支えているのです。

もし他の人が書いたプログラムを読むことになった場合でも、インデントがしっかりしていれば、それまで知らなかった処理でもすぐに理解できます。読みやすさというのは、その言語に慣れていない人ほど重要になります。難しい仕組みが書かれていても、見た目が整理されていれば、ひとつずつ追いかけて理解できます。逆にどれだけ簡単な処理でも、すべての行が詰め込まれてしまうと、理解に時間がかかります。この差は、開発の速度にも大きく影響するため、読みやすいコードを心がけることは、結果として効率のよい開発につながります。

こうした理由から、COBOLでインデントを正しく使うことは、初心者にとっても、経験豊富な開発者にとっても、とても大切な習慣です。どんな小さなプログラムでも、インデントとコメントによって、読み手への思いやりを表現できます。プログラムはひとりだけのものではなく、誰かが引き継いで使い続けることがあります。そのときに理解しやすいコードになっているかどうかが、信頼できる開発者かどうかの分かれ目になることもあります。読みやすいコードは丁寧な仕事の証であり、安心して任せられるプログラムの条件といえます。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「インデントって、ただ見た目を整えているだけじゃなくて、処理の流れを分かりやすくするために大切なんですね。」

先生

「そのとおりです。ひと目でどの処理がどこに属しているのか分かるようにするだけで、ミスを防ぐ力が大きく変わります。」

生徒

「たしかに、並んでいるだけのコードだと、どこがIFなのか分かりませんでした。インデントがあると読みやすいです。」

先生

「読みやすいコードは、自分を助けることにも、他の人を助けることにもつながります。小さな工夫ですが、未来の自分にとっても役に立つはずですよ。」

生徒

「これから自分で書くときは、インデントとコメントを忘れずに使うようにします!」

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