COBOLの基本を学ぶための学習ステップまとめ
生徒
「COBOLをこれから勉強しようと思ってるんですが、どんな順番で学べばいいですか?」
先生
「COBOLは構造がしっかりしている言語なので、基本を段階的に学んでいけば誰でも理解できますよ。」
生徒
「プログラミングもパソコンも初めてで不安です…。」
先生
「大丈夫です。まずは簡単なステップからCOBOLの学習を始めていきましょう!」
1. COBOLとは何かを知ろう
COBOL(コボル)とは、「Common Business Oriented Language(共通業務指向言語)」の略で、主に銀行、保険、行政などの大規模な業務システムで使用されているプログラミング言語です。英語に近い文法が特徴で、読みやすく、ルールに沿って書けば理解しやすいのが魅力です。
まずは、COBOLがどのような場面で使われているのか、なぜ今でも重要とされているのかを知ることから始めましょう。
2. COBOLのプログラム構成を理解しよう
COBOLは「4つの部(Division)」で構成されています。それぞれの役割は次の通りです。
- IDENTIFICATION DIVISION: プログラムの名前など、基本情報を書く部分
- ENVIRONMENT DIVISION: 使用するコンピュータやファイルなどの環境設定を書く部分
- DATA DIVISION: データ(変数)を定義する部分
- PROCEDURE DIVISION: 実際の処理内容を書く部分
最初は、「この部はこういうことを書く場所なんだな」と、ざっくり覚えておくだけで大丈夫です。
3. DISPLAY文を使って文字を出力しよう
最初の一歩として、「画面に文字を出す」ことから始めましょう。COBOLでは、DISPLAY
文を使って出力します。
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. HELLO-WORLD.
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "こんにちは、COBOLの世界!".
STOP RUN.
こんにちは、COBOLの世界!
このように、パソコンに「表示してほしい文字」をDISPLAY
で書くことで、プログラムを実行したときに画面に文字が表示されます。
4. ACCEPT文でキーボード入力を体験しよう
次に、ユーザーがキーボードで文字を入力し、それを受け取る方法を学びます。COBOLではACCEPT
文を使います。
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. INPUT-NAME.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 USER-NAME PIC A(20).
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "お名前を入力してください:".
ACCEPT USER-NAME.
DISPLAY "こんにちは、" USER-NAME.
STOP RUN.
お名前を入力してください:
(ユーザーが入力)
こんにちは、(入力された名前)
PIC A(20)
は「20文字までのアルファベット(文字列)を受け付ける」ことを意味しています。ここでは「変数(へんすう)」という入れ物に文字を保存しています。
5. エラーが出たら怖がらずに確認しよう
プログラムを書いていて、もし実行時やコンパイル時にエラーが出ても、あわてなくて大丈夫です。ミスは誰にでもあります。例えば次のようなミスがあります:
- スペルミス(例:
DISPALY
など) - 必要なセクションの書き忘れ
- ピリオド「.」の忘れ
エラーが出たら、画面に表示されるメッセージをしっかり読み、書いた内容をゆっくり見直しましょう。
6. 手書きとキーボード入力の違いを意識して
パソコンに不慣れな方は、キーボード入力に戸惑うことがあるかもしれません。COBOLのコードは、スペースや文字の位置が非常に大切です。
たとえば、プログラムの各行の最初の数文字は「区切り」として意味があり、そこにスペースを入れすぎるとエラーになることもあります。
このように、紙に書くときと違い、「どこに何文字書くか」が重要です。タイピングの練習をしておくのも学習の助けになります。
7. COBOLの学習順を確認しよう
初心者の方がCOBOLを学ぶためのおすすめのステップは以下のとおりです。
- COBOLとは何かを知る(歴史・特徴・用途)
- COBOLのプログラム構成を理解する
- DISPLAY文とACCEPT文で入出力に慣れる
- 変数とデータ型(
PIC
)を学ぶ - 条件分岐(IF文)や繰り返し(PERFORM文)を学ぶ
- コンパイルエラーや実行エラーに対応できるようになる
無理せず、1日1項目ずつでもOKです。しっかりと基礎から順番に進めていくことで、理解が深まり、後の応用にも役立ちます。