C#の構造体(struct)とクラス(class)の違いを理解しよう
生徒
「C#のstruct(ストラクト)とclass(クラス)って、どう違うんですか?」
先生
「とても大切なポイントですね。構造体(struct)とクラス(class)は、C#でデータをまとめる方法ですが、それぞれ使い方や特徴が違いますよ。」
生徒
「パッと見は似てるのに、何がどう違うんですか?」
先生
「それでは、構造体(struct)とクラス(class)の違いを、わかりやすく例えながら説明していきましょう!」
1. 構造体(struct)とは?
構造体(struct
)は、値型(value type)のデータ型です。これは、簡単に言うと「箱の中に直接データを入れる」ようなイメージです。
たとえば、「座標(X座標とY座標)」を扱いたいときに構造体が便利です。以下のように書きます。
struct Point
{
public int X;
public int Y;
}
この構造体を使ってデータを作ると、次のようになります。
Point p1 = new Point();
p1.X = 10;
p1.Y = 20;
構造体は値型なので、別の変数に代入すると「コピー」されます。
Point p2 = p1;
p2.X = 99;
Console.WriteLine(p1.X); // 結果は10
10
このように、p1とp2は別々の値を持っています。
2. クラス(class)とは?
クラス(class
)は、参照型(reference type)です。これは「箱の中に住所だけが入っていて、データ自体は他の場所にある」というイメージです。
たとえば、同じように座標の情報をクラスで表現すると、次のようになります。
class PointClass
{
public int X;
public int Y;
}
そして、使うときは次のようになります。
PointClass pc1 = new PointClass();
pc1.X = 10;
pc1.Y = 20;
PointClass pc2 = pc1;
pc2.X = 99;
Console.WriteLine(pc1.X); // 結果は99
99
このように、クラスは参照型なので、変数を代入すると同じ場所を指すことになります。つまり、pc1とpc2は同じデータを見ています。
3. 値型と参照型の違いをもっとやさしく解説
ここで、お弁当の例えを使って説明しましょう。
- 構造体(値型)は、自分専用のお弁当箱を持っているイメージ。
- クラス(参照型)は、誰かの弁当箱の場所(住所)を教えてもらって、それを共有しているイメージ。
構造体なら、中身を書き換えても他の人には影響しません。でも、クラスなら、同じ弁当をみんなで使っているので、誰かが中身を変えると、みんなが影響を受けます。
4. 構造体(struct)とクラス(class)の主な違い
項目 | 構造体(struct) | クラス(class) |
---|---|---|
型の種類 | 値型 | 参照型 |
データの格納 | 直接中に入る | アドレス(場所)を通じて操作 |
メモリの使用 | スタック領域 | ヒープ領域 |
継承 | できない | できる |
用途 | 軽量なデータ構造(座標・サイズなど) | 複雑なオブジェクト(ユーザー情報・商品など) |
5. いつ構造体を使い、いつクラスを使う?
構造体とクラスは、それぞれ向いている使い方があります。
- 構造体は、サイズが小さく、処理が軽いデータに使うと効率的です。
- クラスは、複雑な動作やたくさんのデータを扱うときに向いています。
たとえば、ゲームで「敵キャラの位置」をたくさん扱うときはstruct
。ユーザーの情報(名前、パスワード、設定など)を扱うときはclass
が向いています。
6. 初心者が混乱しやすいポイントを整理しよう
初心者が間違いやすいのは、「見た目が似ているから同じように使える」と思ってしまうことです。
でも、代入やメモリの使われ方がまったく違うため、正しい理解が必要です。
実際のコードで動作を比べてみることで、体感的に違いがわかってきます。