COBOLのバッチ処理パフォーマンス改善!SORTとバッファリングを初心者向けに解説
生徒
「COBOLでバッチ処理をしていると、すごく時間がかかることがあるんですが、早くする方法はありますか?」
先生
「はい。COBOLのバッチ処理は、データの並べ替え(SORT)やバッファリングの方法を工夫することで、かなり高速化できますよ。」
生徒
「SORTとバッファリングってなんですか?」
先生
「じゃあ今日は、バッチ処理のパフォーマンス改善の基礎から、わかりやすく説明していきましょう!」
1. バッチ処理とは?
バッチ処理とは、一定量のデータをまとめて処理する方法です。例えば、銀行の一括振込、給与計算、大量の請求書発行などがこれにあたります。パソコン初心者の方でもイメージしやすい例としては、「1通ずつメールを送るのではなく、まとめて一気に送る」ようなものです。
COBOLはこのバッチ処理が得意な言語ですが、データ量が多いと処理時間が長くなるため、効率化の工夫が必要です。
2. SORT(ソート)で処理を効率化
SORTとは「並べ替え」のことです。COBOLでは、大量のデータを処理するとき、あらかじめ必要な順番に並べておくことで、後の処理を高速化できます。
例えば、図書館で本を探すとき、ランダムに置かれた本棚よりも、作者名やジャンルごとに並んでいる方が探すのが早いですよね。プログラムも同じで、データを整えておくと効率的になります。
SORT BOOK-FILE
ON ASCENDING KEY AUTHOR-NAME
USING UNSORTED-FILE
GIVING SORTED-FILE
この例では、AUTHOR-NAME(著者名)で昇順に並び替えています。SORTを使うと、後続の検索や集計が短時間で終わります。
3. バッファリングで入出力を高速化
バッファリングとは、データを一時的にメモリ(パソコンの作業領域)にためてからまとめて読み書きする方法です。これにより、ハードディスクやテープ装置とのやり取り回数を減らし、処理速度を向上できます。
例えるなら、スーパーで買い物をするときに、1個ずつレジに持って行くのではなく、カゴいっぱいにためてからまとめて会計するイメージです。
SELECT INPUT-FILE ASSIGN TO "DATA.DAT"
ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL
ACCESS MODE IS SEQUENTIAL
FILE STATUS IS WS-FILE-STATUS
RESERVE 3 AREAS.
RESERVE 3 AREASのように設定すると、3つ分のバッファを使って効率的にデータを読み込めます。
4. SORTとバッファリングの組み合わせ効果
SORTでデータを整理し、さらにバッファリングで入出力回数を減らすと、バッチ処理は大幅に高速化できます。
例えば、大量の売上データを「日付順」にSORTしてから集計し、バッファリングでまとめて読み込めば、同じ処理でも何倍も早く終わることがあります。
5. パフォーマンス改善の実践ポイント
- 必要なデータだけを扱う:不要な項目やレコードは早い段階で除外する。
- キー項目を適切に選ぶ:SORTの基準は、後続処理が最も効率化される項目にする。
- バッファ数を調整する:メモリ容量や装置の特性に応じて
RESERVE値を変更する。 - テスト環境で比較する:改善策ごとに処理時間を計測して効果を確認する。