カテゴリ: C# 更新日: 2025/11/12

C#のスコープとは?ローカル変数とグローバル変数の違いと使い分けを徹底解説!

C#のスコープとは?ローカル変数・グローバル変数の違いと使い分け
C#のスコープとは?ローカル変数・グローバル変数の違いと使い分け

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「C#で変数を使っているんですけど、ある場所では使えるのに、別のところではエラーが出るのはなぜですか?」

先生

「それは『スコープ(scope)』が関係しているかもしれません。スコープとは、変数が使える範囲のことを意味します。」

生徒

「なるほど…。それってローカル変数とかグローバル変数と関係があるんですか?」

先生

「はい、関係大アリです!では、C#のスコープについて一緒に見ていきましょう。」

1. スコープとは?C#の変数の使える範囲

1. スコープとは?C#の変数の使える範囲
1. スコープとは?C#の変数の使える範囲

プログラミング言語のC#(シーシャープ)では、「スコープ」という考え方がとても大切です。スコープとは、その変数が使える範囲のことです。たとえば、家の中でしか使えないリモコンと、どこでも使えるスマートフォンのような違いがあります。

スコープが正しく理解できていないと、「この変数はどこから来たの?」「使えないって言われる…」と混乱しがちです。C#では主に、ローカル変数グローバル変数(※正確にはクラスレベルの変数)があります。

2. ローカル変数とは?

2. ローカル変数とは?
2. ローカル変数とは?

ローカル変数とは、特定のブロック(かたまり)の中だけで使える変数のことです。ブロックとは、波かっこ { } で囲まれた範囲のことです。例えば、メソッド(関数)の中や、if文の中などがそうです。

では、実際にローカル変数の例を見てみましょう。


void SampleMethod()
{
    int number = 10; // これはローカル変数
    Console.WriteLine(number);
}

このnumberという変数は、SampleMethodの中でしか使えません。外のコードからこの変数にアクセスしようとするとエラーになります。

3. グローバル変数とは?(クラスレベルの変数)

3. グローバル変数とは?(クラスレベルの変数)
3. グローバル変数とは?(クラスレベルの変数)

実は、C#には「完全なグローバル変数」はありません。しかし、クラスの中で定義された変数を「グローバル変数」と呼ぶことがあります。

これは、そのクラスのすべてのメソッドから使える変数です。以下の例を見てみましょう。


class MyClass
{
    int count = 0; // クラスレベルの変数(グローバル変数のようなもの)

    void AddCount()
    {
        count = count + 1;
        Console.WriteLine(count);
    }

    void ResetCount()
    {
        count = 0;
    }
}

countという変数は、AddCountメソッドでもResetCountメソッドでも使えていますね。これがクラス全体で共有される変数、つまり「グローバル変数のようなもの」です。

4. ローカル変数とグローバル変数の違い

4. ローカル変数とグローバル変数の違い
4. ローカル変数とグローバル変数の違い

ここで、ローカル変数とグローバル変数(クラスレベルの変数)の違いを整理してみましょう。

  • ローカル変数:そのブロックの中だけで使える
  • グローバル変数:クラス全体で使える

もしローカル変数と同じ名前のグローバル変数があった場合は、ローカル変数が優先されます。

5. スコープの重なりと注意点

5. スコープの重なりと注意点
5. スコープの重なりと注意点

スコープが重なることもあります。つまり、同じ名前の変数が複数のスコープに存在すると、プログラムが混乱することがあります。


int number = 5; // クラスレベルの変数

void Sample()
{
    int number = 10; // ローカル変数(上の変数を「隠して」しまう)
    Console.WriteLine(number); // これは10と表示される
}

このように、ローカル変数がグローバル変数と同じ名前だと、グローバル変数は使えなくなります。これをシャドーイング(Shadowing)と言います。

6. 実行結果の例で確認しよう

6. 実行結果の例で確認しよう
6. 実行結果の例で確認しよう

では、スコープによって変数の使える範囲がどう変わるのか、実行結果で確認してみましょう。


class ScopeExample
{
    int globalValue = 100;

    void ShowValues()
    {
        int localValue = 50;
        Console.WriteLine("ローカル変数:" + localValue);
        Console.WriteLine("グローバル変数:" + globalValue);
    }
}

ローカル変数:50
グローバル変数:100

このように、メソッド内ではローカル変数とグローバル変数の両方を使い分けることができます。

7. なぜスコープを理解することが大切なのか?

7. なぜスコープを理解することが大切なのか?
7. なぜスコープを理解することが大切なのか?

プログラムを書くうえで、変数がどこで使えて、どこで使えないのかを理解していないと、予期せぬエラーバグ(間違った動作)の原因になります。

スコープをしっかり把握しておけば、変数の使い方を整理でき、読みやすくてバグの少ないコードを書くことができるようになります。

また、変数の名前の付け方や場所の選び方も、スコープを理解しているかどうかで大きく変わってきます。

8. 変数のスコープとメモリの関係

8. 変数のスコープとメモリの関係
8. 変数のスコープとメモリの関係

少し進んだ話になりますが、スコープはメモリ(パソコンの記憶場所)とも関係があります。ローカル変数は、メソッドが実行されている間だけメモリに保存され、終わると消えます。

一方、クラスレベルの変数は、そのクラスのインスタンス(実体)がある間ずっとメモリに残っています。

このため、必要以上にグローバル変数を使うとメモリを無駄に使うことがあるので注意しましょう。

まとめ

まとめ
まとめ

C#で変数を扱うときに、とくに重要になるのが「スコープ」という考え方でした。ローカル変数はメソッドやif文などの中だけで使える変数であり、その場所を出てしまうと存在しなくなります。逆にクラスの外側からでも、同じクラスに属しているメソッドであれば参照できる変数がクラスレベルの変数です。どちらが良いというわけではなく、使う状況に応じて選ぶことで、安全で読みやすいコードが作れます。実際の開発では変数が意図しない範囲で使えてしまうと、値が予期せず書き換えられたり、同じ名前の変数が複数あることで混乱を招いたりします。このような問題を避けるには、スコープを意識した変数設計が欠かせません。

また、ローカル変数とクラスレベルの変数には、メモリの使われ方にも違いがあります。ローカル変数はメソッドが終わると自動的に破棄されて軽量ですが、クラスレベルの変数はインスタンスが存在する限り消えません。そのため、むやみにクラスレベルの変数を増やすと無駄なメモリ消費につながる可能性があります。こういった仕組みを理解しておくことで、値の管理や動作の追跡がしやすくなり、バグの少ないプログラムを書けるようになります。

スコープの理解を深めるには、実際にプログラムを書きながら、値がどこで生きているか、どこで消えるのかを意識することが一番効果的です。たとえば、同じ名前の変数を複数のスコープで使った場合、どの値が表示されるのか確認してみることで、シャドーイングの仕組みを体感できます。同じ名前を使ってしまうと予想外の結果を招くため、名前の付け方や変数の置き場所にも注意が必要です。このような理解が深まると、変数の扱い方が自然と整理されていき、複雑なプログラムでも落ち着いて構成できるようになります。

ここで、スコープの特徴を整理したサンプルコードをもう一度用意しました。どの変数が、どの場所で有効なのかを確認しながら読み進めてみてください。


class ScopeCheck
{
    int total = 0; // クラスレベルの変数

    void Add()
    {
        int count = 1; // ローカル変数
        total = total + count;
        Console.WriteLine("合計値:" + total);
    }

    void ShowTotal()
    {
        Console.WriteLine("現在の合計:" + total);
    }
}

このコードでは、totalという変数はどのメソッドからでも参照できますが、countはAddメソッドの中だけでしか使えません。もしAddメソッドの外でcountを使おうとするとエラーになります。このように、変数がどこで生きているのかは常にチェックしておく必要があります。

スコープの正しい理解は、プログラムの読みやすさだけでなく、保守性にも影響します。他の人が後からコードを見るときにも、どこで変数が操作されているかが明確であれば、修正や追加もしやすくなります。スコープに関するミスは、意外と多くの初学者がつまずくポイントでもありますが、落ち着いて整理していけば必ず理解できるので、焦らず実践を積み重ねていきましょう。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「スコープって言葉だけ聞くと難しそうでしたけど、実際にコードで見てみると、ちゃんと意味があるものなんですね。」

先生

「そうなんです。どこで使える変数なのかがはっきりしているだけで、プログラムはずっと整理されます。特に長いプログラムになるほど効果が出ますよ。」

生徒

「同じ名前の変数を使ってしまうと、違う値が表示されたり、わけが分からなくなったりする理由もわかりました。あれはシャドーイングっていうんですよね。」

先生

「その通りです。名前が同じでもメモリ上ではまったく別の存在なので、意図せず上書きしたように見えることもあります。そういった事故を避けるためにも、スコープを意識した変数管理がとても大切になるんです。」

生徒

「変数って適当な場所に置けばいいと思っていましたが、場所ひとつで役割も寿命も変わるんですね。」

先生

「ええ。変数は小さなデータの箱ですが、その箱がどこに置かれているかでコードの見通しが変わります。ひとつ意識を変えるだけで、読みやすいコードにぐっと近づきますよ。」

全角の平仮名・カタカナ・漢字の合計文字数:2827文字

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