C#の定数の定義方法を完全解説!初心者でもわかる変更されない変数の使い方と命名ルール
生徒
「C#で、絶対に変わらない数字とか文字を変数として使いたいんですが、どうすればいいんですか?」
先生
「そのような場合は、定数(ていすう)というものを使うと便利ですよ。」
生徒
「定数ってなんですか?普通の変数と何が違うんですか?」
先生
「とても良い疑問ですね。それではC#での定数の定義方法と、使い方について基本からしっかり解説していきましょう!」
1. 定数とは?変わらない値のこと!
まず、定数(ていすう)とは「変わらない値」のことです。プログラムの中で、一度決めたら二度と変えてはいけない値を扱うときに使います。たとえば、「円周率(3.14)」や「1年間の日数(365)」などは、途中で変更されることがないので、定数として扱うのが適切です。
一方で、変数(へんすう)は途中で値を変えることができる入れ物です。
2. C#で定数を定義する書き方
C#では、定数を定義するときにconst
(コンスト)というキーワードを使います。このキーワードは「この変数は絶対に変わらないですよ」とコンピュータに伝えるための特別な言葉です。
定数を定義する基本の書き方はこちらです。
const データ型 定数名 = 値;
では、具体的な例を見てみましょう。
const double PI = 3.14;
const int DAYS_IN_YEAR = 365;
このように、定数を使うとプログラムが読みやすくなり、誤って値を変更するミスも防げます。
3. 定数の命名ルールと書き方のポイント
定数の名前には、いくつかの命名ルール(めいめいルール)があります。これを守ることで、チーム開発や大きなプログラムでも分かりやすくなります。
- すべて大文字で書く
- 単語の区切りにはアンダースコア(_)を使う
たとえば、DAYS_IN_YEAR
(1年の日数)やMAX_SPEED
(最大速度)などが良い例です。
4. なぜ定数を使うの?初心者でもわかる3つの理由
定数を使う理由は、大きくわけて次の3つがあります。
- 値の意味がわかりやすくなる
数字や文字だけが書かれていると意味が伝わりにくいですが、定数名を使うとその意味がひと目でわかります。 - 値の使い回しができる
同じ値を何度も使う場合、定数にしておけば一括で管理できます。 - うっかりミスを防げる
定数は変更できないので、間違えて上書きしてしまうリスクがなくなります。
5. 定数の使用例を見てみよう!
では、定数を実際のプログラムでどう使うのかを見てみましょう。
using System;
class Program
{
const double TAX_RATE = 0.1; // 消費税率10%
const int BASE_PRICE = 1000; // 商品の基本価格
static void Main()
{
double tax = BASE_PRICE * TAX_RATE;
double totalPrice = BASE_PRICE + tax;
Console.WriteLine("消費税: " + tax + "円");
Console.WriteLine("合計金額: " + totalPrice + "円");
}
}
このプログラムでは、TAX_RATE
とBASE_PRICE
という2つの定数を使っています。これらは絶対に変えてはいけない値として定義されており、どこで使っても同じ値になります。
消費税: 100円
合計金額: 1100円
6. 定数の注意点と間違いやすいポイント
定数を使うときには、次のような注意点があります。
- 定数には最初から値を入れておく必要がある(あとで変更できない)
- 実行中に計算して決まるような値は定数にできない
たとえば、ユーザーが入力した値や、現在の時刻などは定数として使えません。なぜなら、プログラムが動くたびに値が変わるからです。
7. constとreadonlyの違いにも注目!
少しだけ発展的な話になりますが、C#にはreadonly
という「読み取り専用」の変数もあります。
const
はコンパイル時(プログラムを作るとき)に値が決まりますが、readonly
は実行時(プログラムが動いているとき)に値を決めることができます。
初心者のうちは、まずはconst
だけを使って「変わらない値」をしっかり覚えることから始めるのが良いでしょう。
8. よく使われる定数の例一覧
最後に、日常的によく使われる定数の例をいくつか紹介します。
PI = 3.14159
(円周率)MAX_USERS = 100
(最大ユーザー数)APP_VERSION = "1.0.0"
(アプリのバージョン)DEFAULT_FONT_SIZE = 14
(初期の文字サイズ)
こうした定数をプログラムに取り入れると、保守性(ほしゅせい:あとから修正しやすくすること)が高まり、読みやすくて安全なコードになります。