JCLのパラメータ設定とプロシージャ活用のポイントを完全解説!初心者向けCOBOL実行準備ガイド
生徒
「先生、JCLでパラメータ設定とかプロシージャってよく聞くんですが、何のことですか?」
先生
「JCLのパラメータ設定は、プログラムの実行条件や動きを細かく指定するための設定なんだ。プロシージャは、その設定やジョブ手順をまとめた便利な部品のようなものだよ。」
生徒
「じゃあ、毎回同じ設定を書く必要がなくなるってことですか?」
先生
「その通り。パラメータとプロシージャを上手く使うと、JCLを短く、ミスも少なく書けるようになるんだ。」
1. JCLとは?パラメータ設定の役割
JCL(Job Control Language)は、メインフレーム(大型コンピュータ)でCOBOLなどのプログラムを実行するための命令書です。プログラムの場所や使うデータ、実行方法をJCLに書くことで、コンピュータが正しく動いてくれます。ここで重要なのがパラメータ設定です。パラメータは、ジョブの実行条件やファイルの指定、出力の仕方などを細かく制御するための指示情報です。
例えば「このプログラムは5分以内に終わらせる」「このデータセットを入力として使う」など、JCL内のパラメータで指定できます。
2. JCLのパラメータ設定の基本例
代表的なJCLパラメータとして、以下のようなものがあります。
- TIME= 実行時間の上限を指定
- MSGLEVEL= 出力メッセージの詳細度を設定
- COND= 条件によってステップをスキップ
- PARM= プログラムに渡す引数を指定
例えば、COBOLプログラムにパラメータを渡すJCLは次のようになります。
//STEP1 EXEC PGM=MYCOBOL,PARM='TEST'
//SYSOUT DD SYSOUT=*
//SYSPRINT DD SYSOUT=*
//SYSIN DD *
(ここにCOBOLプログラムの入力データ)
/*
3. プロシージャとは?
プロシージャ(PROC)は、よく使うJCLのステップや設定をひとまとめにして再利用できる仕組みです。たとえば、毎日同じ形式で動かすCOBOLプログラムがあれば、その実行方法をプロシージャとして定義しておくと、呼び出すだけで使えます。
例えると、料理のレシピをメモしておくようなもので、必要な材料(パラメータ)を変えれば、毎回同じ手順で調理できます。
4. プロシージャのサンプル
//MYPROC PROC PNAME=,PDATA=
//STEP1 EXEC PGM=&PNAME,PARM='&PDATA'
//SYSOUT DD SYSOUT=*
//SYSPRINT DD SYSOUT=*
//SYSIN DD DUMMY
//MYPROC PEND
このプロシージャでは、&PNAMEや&PDATAがパラメータになっており、呼び出すときに好きな値を渡せます。
5. プロシージャの呼び出し方
//JOB1 JOB CLASS=A,MSGCLASS=X
//STEP1 EXEC MYPROC,PNAME=MYCOBOL,PDATA=TEST
こうすると、MYCOBOLプログラムが「TEST」というパラメータ付きで実行されます。JCL全体を長々と書かなくても、短い呼び出しだけで同じ処理ができるのが大きなメリットです。
6. パラメータとプロシージャ活用のポイント
- ミス防止:よく使う設定をプロシージャ化することで入力ミスが減ります。
- 保守性向上:設定を変更するときはプロシージャ側だけ直せば全ジョブに反映されます。
- 効率化:短いコードで同じ処理を実現でき、ジョブ作成が早くなります。
また、プロシージャとパラメータは組み合わせることでさらに威力を発揮します。例えば、同じ処理でも日付や対象データだけを変えて実行できるため、毎日のバッチ処理や定型作業に最適です。