カテゴリ: C# 更新日: 2025/07/11

C#のreturn文の役割と使い方!メソッドの戻り値を制御する方法

C#のreturn文の役割と使い方!メソッドの戻り値を制御する方法
C#のreturn文の役割と使い方!メソッドの戻り値を制御する方法

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「C#で処理の結果を他のところに渡す方法ってありますか?」

先生

「はい、それにはreturn文を使います。メソッド(処理のまとまり)から値を返すための命令です。」

生徒

「なるほど…どんな場面で使うんですか?」

先生

「それでは、return文の基本的な使い方を一緒に学んでいきましょう!」

1. return文とは?

1. return文とは?
1. return文とは?

C#のreturn文は、メソッドと呼ばれる一連の処理から結果(値)を呼び出し元に返すための命令です。例えば、計算結果や判断の結果などを他の処理に伝えるために使われます。

「メソッド」とは、複数の処理を1つにまとめたもので、他の場所から呼び出すことができます。メソッドの中でreturnを使うと、その時点でメソッドの処理を終え、指定した値を返します。

2. return文の基本的な書き方

2. return文の基本的な書き方
2. return文の基本的な書き方

return文の基本形はとてもシンプルです。以下のように書きます:


return 値;

この「値」の部分に返したい数値や文字列などを書きます。

3. 実際のメソッドでreturn文を使ってみよう

3. 実際のメソッドでreturn文を使ってみよう
3. 実際のメソッドでreturn文を使ってみよう

ここでは、2つの数字を足して結果を返すメソッドを作ってみます。


int Add(int a, int b)
{
    int result = a + b;
    return result;
}

このAddメソッドでは、引数(ひきすう)として受け取ったabを足して、その合計をreturn文で返しています。

4. メソッドを呼び出して結果を使う

4. メソッドを呼び出して結果を使う
4. メソッドを呼び出して結果を使う

上で定義したAddメソッドを使うには、以下のように呼び出します。


int total = Add(5, 3);
Console.WriteLine("合計は " + total);

合計は 8

Add(5, 3)という呼び出しは、メソッドの中で5 + 3が計算され、結果の8returnされて、totalという変数に代入されます。

5. void型メソッドとreturn文

5. void型メソッドとreturn文
5. void型メソッドとreturn文

メソッドによっては値を返さないものもあります。その場合、voidという型を使います。


void ShowMessage()
{
    Console.WriteLine("こんにちは!");
    return;
}

void型のメソッドでは、return文で値を返すことはできません。ですが、メソッドを途中で強制的に終了させたい場合にはreturn;のように単独で使うことができます。

6. return文がないとどうなる?

6. return文がないとどうなる?
6. return文がないとどうなる?

値を返す必要があるメソッド(たとえばint型など)では、return文を書かないとエラーになります。コンピュータは「このメソッドの結果が何かわからない」と困ってしまうのです。


// 間違った例:return文がない!
int Multiply(int a, int b)
{
    int result = a * b;
    // returnが必要!
}

このようなコードは、コンパイル(C#プログラムを実行形式に変換)するときにエラーになります。

7. return文は1つだけじゃない!

7. return文は1つだけじゃない!
7. return文は1つだけじゃない!

実は、メソッドの中に複数のreturn文を書くこともできます。たとえば条件によって違う値を返したいときに使います。


string GetGrade(int score)
{
    if (score >= 80)
    {
        return "優秀";
    }
    else if (score >= 60)
    {
        return "合格";
    }
    else
    {
        return "不合格";
    }
}

この例では、点数に応じて異なる文字列を返しています。最初に出会ったreturn文で、メソッドの処理は終わるので、それ以降の処理は実行されません。

8. return文の注意点

8. return文の注意点
8. return文の注意点
  • returnは必ず最後に実行されるとは限らない:処理の途中でreturnすると、それ以降の処理はスキップされます。
  • void型メソッドに値を返そうとするとエラーになる:返すべきでないメソッドにreturn値を書くとエラーになります。
  • returnの型とメソッドの型は一致させる:たとえばint型のメソッドでは、intの値を返す必要があります。
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