カテゴリ: COBOL 更新日: 2025/12/10

COBOLのモジュール化の基本設計を完全ガイド!初心者でもわかる保守性と可読性の向上テクニック

モジュール化の基本設計:可読性と保守性向上
モジュール化の基本設計:可読性と保守性向上

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「COBOLのプログラムって、長くなると読みにくくなりませんか?」

先生

「そうですね。だからこそ、COBOLでは『モジュール化』を使って、プログラムを見やすく保ちます。」

生徒

「モジュール化ってなんですか?初めて聞きました…」

先生

「では、今回はCOBOLのモジュール化の基本と、その効果についてわかりやすく説明していきましょう!」

1. モジュール化とは?

1. モジュール化とは?
1. モジュール化とは?

モジュール化とは、大きなプログラムを小さな単位に分けて整理する方法です。これによって、可読性(読みやすさ)保守性(直しやすさ)が大きく向上します。

たとえば、レゴブロックのように、ひとつの大きなおもちゃを小さなパーツで作ると、直したり追加したりするのが簡単になりますよね。プログラムも同じように、「部品ごとに分ける」と管理しやすくなるのです。

2. COBOLにおけるモジュール化のやり方

2. COBOLにおけるモジュール化のやり方
2. COBOLにおけるモジュール化のやり方

COBOLでは、サブルーチンという仕組みを使って、モジュール化ができます。これは「別の小さなプログラムを作っておいて、必要なときだけ呼び出す」というイメージです。

例えば、以下のようなサブルーチンを使うと、名前を表示する機能だけを分けておくことができます。


IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. MAINPROG.

ENVIRONMENT DIVISION.

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 USER-NAME     PIC A(20).

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE "たなか たろう" TO USER-NAME
    PERFORM DISPLAY-NAME
    STOP RUN.

DISPLAY-NAME.
    DISPLAY "名前は " USER-NAME " です。"
    EXIT.

この例では、「名前を表示する部分」をDISPLAY-NAMEというサブルーチンに分けて定義しています。PERFORMという命令で呼び出すことができます。

3. なぜモジュール化が大切なのか?

3. なぜモジュール化が大切なのか?
3. なぜモジュール化が大切なのか?

プログラムをモジュール化することで、以下のようなメリットがあります:

  • 可読性アップ: 長いプログラムでも、処理を分けて見やすくなる
  • 保守性アップ: どこにどんな処理があるか分かりやすく、修正がしやすい
  • 再利用可能: よく使う処理を一か所に書いておけば、何度でも使える

これは、料理のレシピに似ています。たとえば「ケーキを作る」というレシピの中に「生地をこねる」「焼く」「デコレーションする」という手順が細かく分かれていると、とても分かりやすいですよね。

4. モジュール設計のポイント

4. モジュール設計のポイント
4. モジュール設計のポイント

初心者がモジュールを設計する際に意識してほしいのは、以下のようなポイントです:

  • ひとつのサブルーチンにはひとつの目的だけを書く
  • 似た処理はまとめておく(例えば表示系、計算系など)
  • 名前をわかりやすくする(DISPLAY-NAMEやCALCULATE-TAXなど)

名前の付け方もとても大事です。「表示」ならDISPLAY、「計算」ならCALCULATEなど、英語の意味がわかりやすい単語を使うと読みやすくなります。

5. サブルーチンを複数作った例

5. サブルーチンを複数作った例
5. サブルーチンを複数作った例

では、複数のサブルーチンを使って、もっとわかりやすい例を見てみましょう。今回は、年齢を使って表示を変えるプログラムです。


IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. AGE-CHECK.

ENVIRONMENT DIVISION.

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 AGE        PIC 99.

PROCEDURE DIVISION.
    MOVE 25 TO AGE
    PERFORM CHECK-AGE
    STOP RUN.

CHECK-AGE.
    IF AGE >= 20 THEN
        PERFORM DISPLAY-ADULT
    ELSE
        PERFORM DISPLAY-CHILD
    END-IF
    EXIT.

DISPLAY-ADULT.
    DISPLAY "あなたは成人です。"
    EXIT.

DISPLAY-CHILD.
    DISPLAY "あなたは未成年です。"
    EXIT.

このように、条件によって呼び出すサブルーチンを変えることで、コードが見やすく、分かりやすくなっています。

6. 実行結果

6. 実行結果
6. 実行結果

あなたは成人です。

7. モジュール化とエラー修正のしやすさ

7. モジュール化とエラー修正のしやすさ
7. モジュール化とエラー修正のしやすさ

もし、名前の表示だけに問題があるとき、メインのプログラム全体を見る必要はなく、DISPLAY-NAMEの部分だけ直せば良いですよね。このように、エラーやバグを見つけて修正するのも簡単になるのです。

さらに、大規模なプログラムでは何十、何百もの処理があります。そうしたとき、ひとつのサブルーチンに機能が集約されていると、チーム開発でも「どこを見ればいいか」がすぐにわかります。

8. モジュール化されたプログラムのテストも簡単!

8. モジュール化されたプログラムのテストも簡単!
8. モジュール化されたプログラムのテストも簡単!

たとえば、DISPLAY-NAMEだけをテストする場合、他の処理はスキップして、そのサブルーチンだけを確認できます。これを単体テストといいます。

モジュール化していないと、全部の処理を通さないとテストできず、大変な時間がかかります。モジュール化は、テストの効率化にもつながる大切な考え方です。

9. よく使うモジュールを外部化して再利用しよう

9. よく使うモジュールを外部化して再利用しよう
9. よく使うモジュールを外部化して再利用しよう

COBOLでは、サブルーチンを別ファイルにしておき、必要なときに読み込むこともできます。これは、料理で言えば「いつもの味付けのタレ」を冷蔵庫に用意しておいて、毎回使うようなものです。

このような外部モジュールは、複数のプログラムで共通して使えるため、開発効率がぐっとアップします。

まとめ

まとめ
まとめ

COBOLのモジュール化は、長く大規模になりがちな業務プログラムを整理し、読みやすく保ち、さらに修正しやすい構造をつくるための大切な技術です。記事のなかで扱ったように、サブルーチンを使って処理を小さく分割することで、処理のまとまりが明確になり、どこでどのような動作をしているのかが一目で把握できるようになります。これは単なる書き方の工夫だけではなく、保守性・再利用性・可読性といった長期的な品質向上に直結します。 また、モジュール化の考え方は、条件判定、表示処理、計算処理といったよく使われる処理をそれぞれ独立した単位として切り出すことで、プログラム全体の構造を整理しやすくするという利点もあります。重複した処理を一か所にまとめることで、修正箇所を減らせるだけでなく、プログラムの見通しが格段に良くなります。これは、業務の現場で日々求められる「素早く」「安全に」「確実に」修正や改善を行ううえで、非常に大きな効果を発揮します。 さらに、モジュール化されたサブルーチンは単体テストも容易にし、特定の処理だけを切り離して確認できるため、不具合の発見にも役立ちます。このような性質を理解して活用していけば、プログラム全体を俯瞰しながら必要な箇所だけを効率よく改善できるようになり、COBOL開発における作業効率が大幅に向上します。ここでは総まとめとして、モジュール化を意識したシンプルな構造例をもう一度確認できるサンプルを用意しました。

サンプルプログラム(まとめ用)


IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. MAIN-MOD.

DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 USER-NAME     PIC A(20) VALUE "やまだ たろう".
01 USER-AGE      PIC 99 VALUE 18.

PROCEDURE DIVISION.
    PERFORM DISPLAY-NAME
    PERFORM CHECK-ADULT
    PERFORM DISPLAY-END
    STOP RUN.

* 名前表示を担当
DISPLAY-NAME.
    DISPLAY "お名前は " USER-NAME " さんです。"
    EXIT.

* 年齢判定を担当
CHECK-ADULT.
    IF USER-AGE >= 20 THEN
        PERFORM DISPLAY-ADULT
    ELSE
        PERFORM DISPLAY-CHILD
    END-IF
    EXIT.

DISPLAY-ADULT.
    DISPLAY "成人として登録されました。"
    EXIT.

DISPLAY-CHILD.
    DISPLAY "未成年として登録されました。"
    EXIT.

* 最後のメッセージ表示
DISPLAY-END.
    DISPLAY "処理を終了します。"
    EXIT.

この例では、一連の処理が「名前を表示する」「年齢を判定する」「最後にまとめのメッセージを出す」という三つの大きな流れに分けられ、それぞれが独立したサブルーチンによって管理されています。モジュール化により、どの部分を修正すれば良いかが非常に明確で、チームでの開発にも適しています。また、DISPLAY-NAME や CHECK-ADULT のように名前を工夫することで、処理の役割が直感的に理解しやすくなり、他のプログラマが見てもすぐに把握できるコードになります。 モジュール化を利用すると、外部ファイルにサブルーチンをまとめておき、複数のプログラムで共通化することも可能になります。共通処理を外部モジュールとして使い回すことで、開発スピードは飛躍的に向上し、修正の影響範囲も明確になり、安全性の高いプログラム運用につながります。こうしたメリットを理解しながら実際のプログラムで活用していくことができれば、COBOLの開発は格段に効率的で整理されたものになるでしょう。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「先生、モジュール化ってこんなに便利なんですね!分けて書くだけで読みやすいですし、整理されて見えます。」

先生

「ええ、その通りです。長いプログラムをそのまま書くより、処理ごとに小さくまとめる方がずっと読みやすくなりますし、後から修正もしやすくなります。」

生徒

「たしかに、名前表示や判定を分けた例はすごく理解しやすかったです。どこに何が書いてあるか一目でわかりました。」

先生

「役割がはっきりしていると、ほかの人が読んでも迷いませんし、チーム開発にもとても役立ちますよ。外部モジュール化も覚えておくとさらに便利です。」

生徒

「これなら、もっと大きなプログラムでもしっかり整理しながら作れそうです。今後の練習でもモジュール化を意識します!」

先生

「ぜひ活用してくださいね。モジュール化はCOBOLの基本でもあり、長く使える大切な技術ですから、しっかり身につけておくと必ず役に立ちますよ。」

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