COBOLのネストされたサブルーチンの管理と可読性をやさしく解説!初心者向け完全ガイド
生徒
「先生、COBOLでサブルーチンの中にまた別の処理を分けたいときはどうしたらいいですか?」
先生
「いい質問ですね。COBOLではサブルーチンの中でさらに細かい処理を別のサブルーチンとして呼び出すことができます。これを『ネストされたサブルーチン』と呼びます。」
生徒
「ネストって難しそうですけど、初心者でも使えますか?」
先生
「もちろん!順番に説明すればきちんと理解できますよ。例えも使ってわかりやすく解説しますね。」
1. ネストされたサブルーチンとは?
「ネスト」とは、入れ子構造のことです。つまり、あるサブルーチンの中で、さらに別のサブルーチンを呼び出す構造のことです。
たとえば、料理に例えると、「カレーを作る」というサブルーチンの中で、「野菜を切る」「肉を炒める」という小さな作業を別のサブルーチンに分けるイメージです。
このように処理を細かく分けることで、可読性(読みやすさ)がアップし、再利用性も高くなります。
2. サブルーチンを分けるメリットとは?
COBOLのサブルーチンをネストして使うことで、次のようなメリットがあります。
- プログラムが短く、見やすくなる(同じ処理を何度も書かなくてよい)
- 修正しやすい(1か所を直せば全部に反映される)
- バグが見つけやすい(どこで何をしているか明確になる)
このように、複雑な処理も階層的に整理して書くことで、初心者でも理解しやすくなります。
3. ネストされたサブルーチンのサンプルコード
ここでは、「商品の合計金額を計算」するメインのサブルーチンの中で、「税金を加えるサブルーチン」と「割引を適用するサブルーチン」を順番に呼び出す例を見てみましょう。
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. MAIN-CALC.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 BASE-PRICE PIC 9(5) VALUE 1000.
01 TAXED-PRICE PIC 9(5)V99.
01 FINAL-PRICE PIC 9(5)V99.
PROCEDURE DIVISION.
CALL 'ADD-TAX' USING BASE-PRICE RETURNING TAXED-PRICE
CALL 'APPLY-DISCOUNT' USING TAXED-PRICE RETURNING FINAL-PRICE
DISPLAY "最終的な金額は " FINAL-PRICE
STOP RUN.
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. ADD-TAX.
DATA DIVISION.
LINKAGE SECTION.
01 IN-PRICE PIC 9(5).
01 OUT-PRICE PIC 9(5)V99.
PROCEDURE DIVISION USING IN-PRICE RETURNING OUT-PRICE.
COMPUTE OUT-PRICE = IN-PRICE * 1.10
EXIT PROGRAM.
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. APPLY-DISCOUNT.
DATA DIVISION.
LINKAGE SECTION.
01 INPUT-PRICE PIC 9(5)V99.
01 DISCOUNTED-PRICE PIC 9(5)V99.
PROCEDURE DIVISION USING INPUT-PRICE RETURNING DISCOUNTED-PRICE.
COMPUTE DISCOUNTED-PRICE = INPUT-PRICE * 0.90
EXIT PROGRAM.
最終的な金額は 990.00
4. ネストされたサブルーチンの管理のコツ
サブルーチンを増やすと、管理が大変に見えるかもしれません。でも、次のような工夫をすると混乱せずにすみます。
- 1つのサブルーチンには1つの役割だけを持たせる
- 名前をわかりやすくつける(例:ADD-TAXやAPPLY-DISCOUNT)
- 処理の順番をコメントでメモしておく
また、各サブルーチンで使う変数の名前も、それぞれ区別しておくとわかりやすくなります。
5. 可読性(読みやすさ)を上げるための工夫
プログラムは、自分だけでなく他人も読むことを意識しましょう。特にCOBOLは業務で使われることが多く、他の人がメンテナンスすることもあります。
そのために、以下のような工夫が大切です。
- インデント(字下げ)をそろえる
- 意味のあるコメントを書く
- 同じ処理を何度も書かずにサブルーチンにする
たとえば、「税金を加える」と「割引を引く」という処理を別々のサブルーチンにしておけば、それぞれの処理が独立して読めるので、全体像がつかみやすくなります。
6. ネストの深さには注意しよう
ネストを深くしすぎると、逆にわかりにくくなることもあります。2〜3段階までにおさえるのが初心者にはおすすめです。
また、サブルーチンの呼び出しが増えると、処理の流れが複雑になるため、コメントや変数名の工夫で補うことが大切です。
7. よくある質問と初心者向けアドバイス
- Q1:RETURNINGとは?
→ 呼び出し元に値を返すための方法です。サブルーチンで計算した結果を戻します。 - Q2:USINGとは?
→ サブルーチンに値を渡すときに使います。材料(値)を渡すイメージです。 - Q3:DISPLAYは何ですか?
→ 結果を画面に表示するCOBOLの命令です。 - Q4:サブルーチンが多くなると混乱しませんか?
→ 名前をルール化し、コメントを残せば大丈夫です。
まとめ
COBOLのネストされたサブルーチンは、複雑な処理を整理し、ひとつひとつの動きを明確に分割して管理しやすくするための大切な仕組みです。特に業務システムのように、同じ計算や判定処理を繰り返し使う場面が多いプログラムでは、サブルーチンを組み合わせて階層的に構造化することで、作業効率と可読性が大幅に向上します。記事で紹介したように、税金を加える処理、割引を適用する処理など “小さな作業工程” をそれぞれ独立したサブルーチンに分け、メインのサブルーチンで順番に呼び出すことで処理の流れが一目で分かるようになります。こうした考え方を取り入れることで、初心者でもスムーズに業務レベルのCOBOLプログラムを組み立てられるようになるのです。 ネストされたサブルーチンのメリットは、それぞれの処理が独立した機能として動作するため、修正が発生した場合も変更箇所が限定されて管理しやすい点にもあります。例えば、税率が変わった場合には「ADD-TAX」だけを更新すればよく、「APPLY-DISCOUNT」やメインの処理には影響がありません。この“局所的に修正できる”という性質は、運用期間の長いCOBOLシステムでは特に重要です。また、名前の付け方や変数の扱い方によって可読性がさらに向上し、他の開発者が後から見ても理解しやすい構造となります。 さらに、ネストの深さを意識した設計も大切です。サブルーチンが深すぎると全体の流れが追いにくくなりますが、適切な階層を意識すれば処理の意味や役割が自然と整理されていきます。業務プログラムでは、2〜3段階までのネストで分割されていることが多く、これは処理の複雑さと読みやすさのバランスがとれている例といえます。ここでは、記事の内容をふまえながら、ネストされたサブルーチンの構造をより理解しやすくするために、簡易的なサンプルをまとめて示します。
サンプルプログラム(まとめ用)
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. MAIN-ORDER.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
01 ORDER-PRICE PIC 9(5) VALUE 2000.
01 PRICE-AFTER-TAX PIC 9(7)V99.
01 FINAL-DISCOUNTED PIC 9(7)V99.
PROCEDURE DIVISION.
* 税金計算サブルーチンを呼び出す
CALL 'CALC-TAX' USING ORDER-PRICE RETURNING PRICE-AFTER-TAX
* 割引処理サブルーチンを呼び出す
CALL 'CALC-DISCOUNT' USING PRICE-AFTER-TAX RETURNING FINAL-DISCOUNTED
DISPLAY "最終金額は " FINAL-DISCOUNTED
STOP RUN.
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. CALC-TAX.
DATA DIVISION.
LINKAGE SECTION.
01 L-PRICE PIC 9(5).
01 L-TAXED PIC 9(7)V99.
PROCEDURE DIVISION USING L-PRICE RETURNING L-TAXED.
COMPUTE L-TAXED = L-PRICE * 1.10
EXIT PROGRAM.
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. CALC-DISCOUNT.
DATA DIVISION.
LINKAGE SECTION.
01 L-INPRICE PIC 9(7)V99.
01 L-FINAL PIC 9(7)V99.
PROCEDURE DIVISION USING L-INPRICE RETURNING L-FINAL.
* 10% の割引処理
COMPUTE L-FINAL = L-INPRICE * 0.90
EXIT PROGRAM.
上記の例では、買い物の金額に税金を加え、その後に割引を適用するという実務でよくある処理を段階的にサブルーチン化しています。各サブルーチンは“ひとつの役割”に集中しており、メインの流れは非常に読みやすくなっています。これは小さな例ですが、実務の大規模な処理でも同様の考え方で管理することができ、階層分けをすることで整理された構造を保ちながら安全に運用できます。 ネストされたサブルーチンを正しく管理するコツとして、名前の付け方の統一、変数の意味が分かる命名、処理の流れをコメントとして残すことが挙げられます。これらを習慣化することで、後から読み返したときに理解しやすく、修正作業もスムーズに進みます。また、ネスト構造を深くしすぎず、2〜3段階でまとめることは初心者にとってとても効果的であり、COBOL全体の可読性を保つうえでも理想的です。 さらに、スクリーニング処理や計算処理、データ整形などの業務ロジックを分割してサブルーチン化することで、再利用性が高まり、チーム開発での役割分担も進めやすくなります。COBOLの基本的な構文を理解していれば、ネストされたサブルーチンは決して難しいものではなく、むしろプログラムを整理する強力な方法となることがよく分かります。
生徒
「先生、ネストされたサブルーチンを使うと処理の流れがすごく整理されるんですね!最初は難しいと思っていました。」
先生
「ええ、階層的に分けることで、メインの動きがはっきり見えるようになります。複雑な処理こそ分割して書くと理解しやすくなるんですよ。」
生徒
「税金計算と割引計算を別々にしているところがすごく分かりやすかったです。ひとつずつ役割が決まっていると安心できますね。」
先生
「そのとおりです。役割を明確にするのは可読性を上げる大事なポイントです。名前の付け方も分かりやすくしておけば、さらに理解が深まりますよ。」
生徒
「これなら、もっと複雑な処理でもサブルーチンを増やして整理できそうです!ネストしすぎなければ怖くないですね。」
先生
「ええ、深くしすぎないことが大切です。今回の考え方を身につければ、大規模なCOBOL開発でも役に立つ力になりますよ。」