C#のラムダ式とメソッドの違いを比較しよう!初心者にもやさしく解説
生徒
「C#のラムダ式ってなんですか?普通のメソッドと何が違うんですか?」
先生
「いい質問ですね。C#では、メソッドもラムダ式も“処理のまとまり”を表しますが、書き方や使い方に違いがあります。」
生徒
「なるほど…。じゃあ、それぞれの特徴や使い方を知りたいです!」
先生
「よし、それではC#のラムダ式とメソッドの違いを一緒に学んでいきましょう。」
1. C#のメソッドとは?
まずはC#のメソッドについて見てみましょう。メソッドとは、ある処理をまとめた“機能の部品”のようなものです。たとえば、「足し算をする」や「画面に文字を表示する」など、よく使う処理を名前をつけて使いやすくしたものです。
メソッドはメソッド名で呼び出すことができ、処理を何度でも再利用できるのが特徴です。
基本的なメソッドの書き方は次のようになります:
void Greet()
{
Console.WriteLine("こんにちは!");
}
このメソッドを呼び出すには、次のようにします:
Greet();
このように、C#では処理をメソッドとしてまとめておくと、プログラムが読みやすくなり、使い回しも簡単になります。
2. ラムダ式とは?
次にラムダ式について説明します。ラムダ式は、短く簡潔に処理を表現できる書き方です。「メソッドをわざわざ作るほどではないけど、ちょっとした処理をしたい」ときによく使われます。
ラムダ式は、変数に代入したり、他のメソッドに渡したりできます。例えば、以下のように書きます:
Action greet = () => Console.WriteLine("こんにちは!");
greet();
() =>の部分がラムダ式の書き方です。これは「引数なしで、この処理を実行する」という意味になります。
3. メソッドとラムダ式の違いを比較しよう
C#のメソッドとラムダ式の主な違いを以下にまとめます:
- メソッド:処理を名前付きで定義し、プログラム全体で使い回しがしやすい。
- ラムダ式:短く書けて、変数に代入したり、他の関数に渡したりできる。
- コードの再利用を考えるならメソッド、簡単な処理や一時的な処理ならラムダ式が便利。
次のコード例を見て、違いを比べてみましょう。
int Add(int a, int b)
{
return a + b;
}
int result = Add(3, 5);
Console.WriteLine(result);
Func<int, int, int> add = (a, b) => a + b;
int result = add(3, 5);
Console.WriteLine(result);
どちらも「2つの数字を足す」処理をしていますが、ラムダ式のほうが簡潔に書けています。
4. ラムダ式が便利な場面
C#のラムダ式は特に一時的な処理を渡したいときに便利です。たとえば、配列の中から条件に合うものを探すときなどに使われます。
次の例を見てください。
string[] names = { "たろう", "じろう", "さぶろう" };
string result = Array.Find(names, name => name.StartsWith("じ"));
Console.WriteLine(result);
このコードでは、「じ」で始まる名前を探しています。name => name.StartsWith("じ")の部分がラムダ式です。わざわざメソッドを作らずに、その場で条件を書けるのが便利ですね。
5. ラムダ式を理解するためのポイント
最後に、ラムダ式を理解するために覚えておきたいポイントを整理しましょう。
- ラムダ式は、関数のように処理を記述できる「簡単な書き方」です。
- メソッドよりも短く、他の関数や変数に代入するのに適しています。
() =>や(a, b) => a + bといった構文を覚えるとスムーズに使えるようになります。Action(引数あり・戻り値なし)やFunc(戻り値あり)という型と組み合わせて使います。
「関数を変数に入れて使う」というイメージを持つと、ラムダ式の役割がよく分かるようになります。
まとめ
C#のラムダ式とメソッドの違いを振り返ると、どちらも処理をまとめて扱うための大切な仕組みでありながら、その性質や使いどころにははっきりとした特徴があることが理解できます。メソッドは明確な名前を持ち、プログラム全体で繰り返し利用できる汎用的な仕組みです。一方、ラムダ式は必要な場面で短く記述できる柔軟な書き方であり、処理をその場で簡潔にまとめたいときに向いています。特にC#では、配列やリストを扱うときにラムダ式を使うことで、条件指定やフィルタリングが自然に行えるため、初心者でもコードの流れが理解しやすくなるという利点があります。 ラムダ式の魅力のひとつは、メソッドを作らずにその場で完結した処理を表現できることで、条件検索、並べ替え、絞り込みなどの処理との相性が非常に良い点です。また、C#にはAction型やFunc型といった「処理そのものを扱う型」が用意されており、これらと一緒に使うことでより表現力の高いコードを書くことができます。ラムダ式はただ記述が短くなるだけでなく、「処理を値のように扱う」という考え方を理解するうえで大きな手がかりにもなります。 一方で、メソッドは名前が付くため、どの処理がどんな目的で書かれているかが一目で分かるという強みがあります。特に長い処理や複雑な処理を扱う場合、メソッドとして切り出しておくことでコード全体が整理され、読み手にとって非常に理解しやすい構造になります。初心者ほどメソッドとラムダ式の使い分けに迷うことが多いですが、役割をきちんと整理しておくことで、自然と適切な書き方を選べるようになります。 また、メソッドとラムダ式の違いを理解することで、C#のコードがどのように組み立てられているのか、そして関数型の考え方がどのように取り入れられているのかを把握しやすくなります。ラムダ式はメソッドの「簡易版」という印象を持つ人も多いですが、実際には処理の抽象化や柔軟な関数の受け渡しを可能にする強力な機能であり、C#のさまざまな場面で広く使われています。リストの操作、LINQによるデータ処理、イベントの登録など、多くの実用的な処理とラムダ式は深く関係しています。 さらに、ラムダ式を理解すると、C#のLINQと呼ばれるデータ処理の仕組みも自然と理解しやすくなります。LINQでは、 Where 、 Select 、 OrderBy などの処理にラムダ式を組み合わせて使うため、ラムダ式の書き方に慣れておくことでデータ処理全体の書き方が大きくスムーズになります。初心者がC#を学ぶとき、ラムダ式に触れるタイミングは必ず訪れるため、早めに慣れておくと後の学習がとても楽になります。 メソッドとラムダ式を比較しながら学んでいくことで、「いつメソッドを使うべきか」「いつラムダ式が向いているか」という判断が明確になり、プログラムの設計もより自然で分かりやすいものになります。どちらか片方だけを使うのではなく、それぞれの特性を理解し、適材適所で使い分けることがC#を扱ううえでの大切なポイントです。プログラムを書く上での考え方も洗練され、処理の整理、再利用性の向上、読みやすさの改善など、多くの成果につながります。
ラムダ式とメソッドを併用したサンプル
以下はメソッドとラムダ式を組み合わせて使う例です。
int 計算(int a, int b, Func<int, int, int> operation)
{
return operation(a, b);
}
Func<int, int, int> 掛け算 = (x, y) => x * y;
Console.WriteLine(計算(3, 4, 掛け算));
この例では、メソッドで処理の流れをまとめつつ、実際の計算部分だけラムダ式として外から渡しています。こうした書き方ができるのも、ラムダ式の強みです。
生徒
「先生、ラムダ式って最初は難しそうに思っていましたけど、短く書けて便利なんですね。」
先生
「そうですね。慣れるとあらゆる場所で自然に使えるようになりますし、リストや配列を扱うときには特に役立ちますよ。」
生徒
「メソッドは長い処理、ラムダ式は短い処理っていうイメージで使い分ければいいんですか?」
先生
「その考え方はとても良いですね。処理の長さだけでなく、用途や再利用性を意識すると、さらに使い分けがうまくなりますよ。」
生徒
「今日の例を見て、ラムダ式がどう役立つのかよく分かりました!これから積極的に使ってみます。」