カテゴリ: COBOL 更新日: 2025/12/31

COBOLのMERGE文を完全ガイド!初心者でもわかるファイル統合処理

MERGE文を使ったファイル統合の方法
MERGE文を使ったファイル統合の方法

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「COBOLで複数のデータを1つにまとめることはできますか?」

先生

「はい、COBOLにはMERGE文という命令があって、複数のファイルを1つに整理して統合できます。」

生徒

「どうやって使うんですか?パソコン初心者なので、できれば簡単に教えてほしいです。」

先生

「大丈夫ですよ。MERGE文の基本と使い方を、ゆっくり分かりやすく説明していきましょう。」

1. MERGE文とは?

1. MERGE文とは?
1. MERGE文とは?

COBOLのMERGE文は、複数の入力ファイルを、1つの順序にそって自動的に並べて統合する命令です。たとえば、「A社の顧客一覧」と「B社の顧客一覧」を1つの新しい一覧にまとめたいときに使います。

このMERGE文は、あらかじめ並べ替えられた(ソート済みの)ファイルを前提にして、共通のルールで1本化してくれるので、とても便利な機能です。

ポイント:MERGE文は、ソートしながらファイルを統合する処理に特化した機能です。

2. ファイル統合ってどんなときに使うの?

2. ファイル統合ってどんなときに使うの?
2. ファイル統合ってどんなときに使うの?

実務でよくあるのは、例えば次のような場面です:

  • 毎月の売上ファイルを、年ごとに1本にまとめたいとき
  • 営業所ごとに記録されている在庫ファイルを、全社版に統合したいとき
  • 支店ごとの顧客リストを合体させて、全体リストを作成したいとき

初心者向けの例え:MERGEは「ジグソーパズルの完成」と似ています。バラバラだったピース(ファイル)を、決められた順番で1つに組み合わせて、全体の絵(新しいファイル)を完成させます。

3. MERGE文の基本構文を見てみよう

3. MERGE文の基本構文を見てみよう
3. MERGE文の基本構文を見てみよう

COBOLでMERGE文を使うときの基本的な書き方は、以下のようになります。


MERGE 統合用ファイル
    ON ASCENDING KEY 顧客ID
    USING 入力ファイル1 入力ファイル2
    OUTPUT PROCEDURE IS 出力処理.

それぞれの意味はこうです:

  • ON ASCENDING KEY:並べるときの基準(この例では「顧客IDの昇順」)
  • USING:どの入力ファイルを統合するか
  • OUTPUT PROCEDURE:統合後にデータを書き出す処理

4. COBOLのMERGE文のサンプルコード

4. COBOLのMERGE文のサンプルコード
4. COBOLのMERGE文のサンプルコード

次は、「支店A」「支店B」の顧客ファイルを1つのファイルに統合して、顧客IDの順に並べるプログラムの例です。


SELECT 支店A ASSIGN TO "A.DAT"
    ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.
SELECT 支店B ASSIGN TO "B.DAT"
    ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.
SELECT 統合ファイル ASSIGN TO "MERGED.DAT"
    ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.

MERGE 顧客統合
    ON ASCENDING KEY 顧客ID
    USING 支店A 支店B
    OUTPUT PROCEDURE IS 出力処理.

出力処理.
    RETURN 顧客統合
        AT END MOVE "YES" TO 終了フラグ
    NOT AT END
        WRITE 統合レコード FROM 顧客統合
        PERFORM 出力処理
    END-RETURN.

MEMO:ファイル名は「A.DAT」「B.DAT」「MERGED.DAT」としていますが、自由に変更可能です。

5. 実行結果イメージ

5. 実行結果イメージ
5. 実行結果イメージ

例えば次のように、バラバラだったデータが、顧客IDの順にきれいに並びます。


支店A:
1001 山田
1003 田中

支店B:
1002 佐藤
1004 鈴木

統合結果(MERGED.DAT):
1001 山田
1002 佐藤
1003 田中
1004 鈴木

6. MERGE文を使うときの注意点

6. MERGE文を使うときの注意点
6. MERGE文を使うときの注意点
  • 入力ファイルは、あらかじめ並び替え(ソート)されている必要があります。
  • 同じ形式(項目構成やデータの順序)のファイルを使うこと。
  • 並べ替えのキー(この例では顧客ID)は、正しく設定しましょう。

豆知識:MERGE文は、SORT文とよく似ていますが、MERGEは「複数のファイルをまとめる」、SORTは「1つのファイルを並べ替える」役割です。

7. 昇順・降順の違いって?

7. 昇順・降順の違いって?
7. 昇順・降順の違いって?

MERGE文では、データの並び方をASCENDING(昇順)またはDESCENDING(降順)で指定できます。

  • ASCENDING:小さい番号から大きい番号へ並べる(例:1001 → 1002 → 1003)
  • DESCENDING:大きい番号から小さい番号へ並べる(例:1003 → 1002 → 1001)

どちらを使うかは、目的に応じて使い分けましょう。

8. 複数キーで統合もできる?

8. 複数キーで統合もできる?
8. 複数キーで統合もできる?

はい、MERGE文では、複数のキーを使ってデータを整えることも可能です。


MERGE 売上データ
    ON ASCENDING KEY 地域コード
    ON ASCENDING KEY 顧客ID
    USING 東日本 西日本
    OUTPUT PROCEDURE IS 出力処理.

このように複数のキーを使うことで、より細かく順序づけて統合できます。

まとめ

まとめ
まとめ

COBOLのMERGE文は、複数のファイルを整理しながら統合するためのとても重要な仕組みであり、実務システムで大量のデータを扱う際に欠かせない存在です。特に、支店ごとに分かれている顧客データや売上記録などを一つの統合ファイルにまとめたいとき、MERGE文を使えば手作業で並べ替えることなく、自動的に同じキー順に並び替えて整合性のあるデータを生成できます。複数の入力データを一つの順序に従って統合する処理は、業務の効率化だけでなく、データの正確性を高めるうえでもとても重要な役割を持っています。特に「昇順」「降順」を柔軟に指定したり、「複数キー」で統合順序を細かく設定したりできる点は、大規模なデータ管理において大きな利点になります。

MERGE文の利用時に注意しておくべき点として、まず入力ファイルがあらかじめ整列済みである必要があること、そしてファイルの項目構成やデータの並び方がそろっていることが挙げられます。この前提が整っていないと、MERGEの処理結果が意図しない並びになったり、正しいデータが出力されなかったりする可能性があります。また、出力処理を指定できることによって、ただ統合するだけでなく、統合後のデータをそのまま別ファイルに書き込んだり、フィルタリングしたり、加工して出力することも可能です。これはCOBOLならではの柔軟性であり、基幹システムで長年利用され続けてきた理由のひとつです。

MERGE文では、次のように出力処理を細かく定義することで、統合後のデータを自由に加工できます。特に業務システムでは、統合後のデータをそのまま帳票や集計処理につなげることが多いため、OUTPUT PROCEDUREを使った柔軟な流れは非常に役立ちます。

サンプルプログラム:統合後に判定を加える処理例


SELECT 東支店 ASSIGN TO "EAST.DAT"
    ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.
SELECT 西支店 ASSIGN TO "WEST.DAT"
    ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.
SELECT 全国統合 ASSIGN TO "ALL.DAT"
    ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.

WORKING-STORAGE SECTION.
01 終了フラグ     PIC X VALUE "N".
01 判定レコード   PIC 9(4).

PROCEDURE DIVISION.
    MERGE 統合処理
        ON ASCENDING KEY 顧客ID
        USING 東支店 西支店
        OUTPUT PROCEDURE IS 出力処理.

出力処理.
    RETURN 統合処理
        AT END MOVE "Y" TO 終了フラグ
    NOT AT END
        MOVE 顧客ID OF 統合処理 TO 判定レコード
        IF 判定レコード > 2000
            DISPLAY "二千番台の顧客です"
        END-IF
        WRITE 統合レコード FROM 統合処理
        PERFORM 出力処理
    END-RETURN.

このように、単に統合するだけでなく、統合後のデータを基準に条件分岐やメッセージ出力を行うこともできます。MERGE文は、SORT文とは異なり、「複数のファイルを一つにまとめる」ことに特化したコマンドであるため、複数の拠点データや月ごとの分割データを扱う現場でとても便利です。たとえば、営業所ごとの売上データをひとつの全社ファイルにまとめる業務や、毎日のログデータを月間ログとしてまとめる作業など、多くの処理がMERGE文で効率化されます。

また、MERGEでは複数のキーを組み合わせて順序を整えることができ、地域コード→顧客IDのように階層的な並び替えにも対応できます。これにより、大量データの統合時にも秩序ある並びが確保され、後続処理での誤りが出にくくなります。特に古くから稼働している基幹システムでは、こうした処理の正確性がとても重要であり、MERGE文の正しい理解がシステムの安定運用につながります。今回学んだ基本構文だけでも十分に実務で活用できますが、複数のキーや複雑な出力処理を組み合わせることで、より柔軟な統合処理が可能になります。

最後に、MERGE文の動作をより深く理解するためのポイントを整理すると次の通りです。

  • MERGEは「複数ファイルの統合」が目的で、SORTとは役割が異なる。
  • 入力ファイルは整列済みであることが前提。
  • 統合キーは必ず正しく定義すること。
  • OUTPUT PROCEDUREで柔軟な後処理が可能。
  • 複数キーを使うことで階層的な並び替えもできる。

COBOLのMERGE文は、データ統合の基本でありながら奥が深い命令です。初心者でも理解しやすく、実務でもよく使われるため、この機会にしっかりと身につけておくと、ファイル処理の幅が大きく広がります。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「MERGE文って難しそうだと思っていましたが、仕組みが分かると便利さがよくわかりました!」

先生

「そうでしょう。複数のファイルをまとめる業務は多いので、MERGEを覚えておくと作業がとても楽になりますよ。」

生徒

「昇順や降順の設定、複数キーの指定など、細かい部分も理解できてきました。」

先生

「順序付けはとても大切ですからね。正しく設定すれば、後続処理がスムーズになります。」

生徒

「OUTPUT PROCEDUREを使えば、統合しながら処理もできるというのがすごいです!」

先生

「そのとおりです。出力処理を活用すると、一気に効率が上がりますよ。」

生徒

「これで、業務ファイルをまとめるプログラムも作れそうです!」

先生

「自信を持って挑戦してみてください。MERGE文を理解できれば、COBOLのファイル処理の幅がぐんと広がりますよ。」

この記事を読んだ人からの質問

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プログラミング初心者からのよくある疑問/質問を解決します

COBOLのMERGE文とは何ですか?初心者向けに教えてください。

COBOLのMERGE文とは、複数のソート済みファイルを1つに統合して、新しい順序で出力するための命令です。顧客データや売上データなどをまとめて整理するときに使います。
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