COBOLのプログラム構造を完全ガイド!初心者でもわかる4つの基本部
先生と生徒の会話形式で理解しよう
生徒
「COBOLのプログラムって、どんな構造になっているんですか?」
先生
「COBOLのプログラムは、主に4つの部(ディビジョン)で構成されています。それぞれの部には特定の役割があります。」
生徒
「その4つの部って、具体的に何ですか?」
先生
「それでは、各部の役割を詳しく見ていきましょう!」
1. 識別部(IDENTIFICATION DIVISION)とは?
識別部は、COBOLプログラムの最初に記述される部で、プログラムの基本情報を定義します。主に以下のような情報を含みます:
PROGRAM-ID
: プログラムの名前を指定します。AUTHOR
: プログラムの作成者を記述します。DATE-WRITTEN
: プログラムの作成日を記述します。
これらの情報は、プログラムの識別や管理に役立ちます。
2. 環境部(ENVIRONMENT DIVISION)とは?
環境部は、プログラムが動作するコンピュータ環境や、使用するファイルなどの外部要素を定義します。主に以下のセクションで構成されます:
- CONFIGURATION SECTION: 使用するコンピュータや特別な名前を定義します。
- INPUT-OUTPUT SECTION: 入出力ファイルの設定を行います。
これにより、プログラムがどのような環境で動作するかを明確にします。
3. データ部(DATA DIVISION)とは?
データ部は、プログラムで使用するデータや変数を定義する部です。主に以下のセクションで構成されます:
- FILE SECTION: ファイルのレコード構造を定義します。
- WORKING-STORAGE SECTION: プログラム内で使用する変数を定義します。
- LOCAL-STORAGE SECTION: プログラムの実行時にのみ使用される変数を定義します。
- LINKAGE SECTION: 外部プログラムとのデータの受け渡しを定義します。
これらのセクションを使って、プログラム内で扱うデータを整理します。
4. 手続き部(PROCEDURE DIVISION)とは?
手続き部は、実際の処理手順を記述する部です。ここでは、データ部で定義した変数を使って、具体的な処理を行います。例えば、データの表示や計算などを記述します。
以下は、簡単なDISPLAY
文を使った例です:
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "こんにちは、COBOLの世界!".
STOP RUN.
この例では、画面に「こんにちは、COBOLの世界!」と表示し、プログラムを終了します。
5. COBOLプログラムの全体構造
これまで説明した4つの部を組み合わせると、COBOLプログラムの全体構造は以下のようになります:
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. SAMPLE.
ENVIRONMENT DIVISION.
CONFIGURATION SECTION.
SOURCE-COMPUTER. IBM-ZOS.
OBJECT-COMPUTER. IBM-ZOS.
INPUT-OUTPUT SECTION.
FILE-CONTROL.
SELECT INPUT-FILE ASSIGN TO 'INPUT.DAT'.
DATA DIVISION.
FILE SECTION.
FD INPUT-FILE.
01 INPUT-RECORD.
05 FIELD1 PIC X(10).
05 FIELD2 PIC 9(5).
WORKING-STORAGE SECTION.
01 WS-VARIABLE PIC X(20).
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "COBOLプログラムの基本構造を学びました。".
STOP RUN.
このように、各部を順に記述することで、COBOLプログラムを構築します。