カテゴリ: COBOL 更新日: 2025/06/20

COBOLのENVIRONMENT DIVISIONとは?初心者でもわかる環境設定の基本ガイド

ENVIRONMENT DIVISIONの設定項目を解説
ENVIRONMENT DIVISIONの設定項目を解説

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「COBOLのプログラムを作るとき、ENVIRONMENT DIVISIONって出てきたんですけど、何ですか?」

先生

「ENVIRONMENT DIVISIONは、COBOLで使うパソコンやファイルの設定を行う部分です。」

生徒

「パソコンの設定って、具体的にはどんなことをするんですか?」

先生

「例えば、ファイルの名前や場所、どんな端末を使うかなどを指定します。では、詳しく見ていきましょう!」

1. ENVIRONMENT DIVISIONとは?

1. ENVIRONMENT DIVISIONとは?
1. ENVIRONMENT DIVISIONとは?

COBOL(コボル)のプログラムでは、大きく4つの「部(DIVISION)」に分かれています。その中で、ENVIRONMENT DIVISION(エンバイロメント・ディビジョン)は、パソコンやOS、入力・出力に使う機器やファイルの情報を指定する部分です。

たとえば、「どのファイルを読み込むか」「どのプリンターに出力するか」といったことを設定します。つまり、プログラムが実際にどんな環境で動作するかを伝える役割を持っています。

この部分は、普段パソコンでいうと「設定」や「オプション」にあたる場所です。ファイルの場所や、使う機器の名前などをここに書きます。

2. ENVIRONMENT DIVISIONの中の構造

2. ENVIRONMENT DIVISIONの中の構造
2. ENVIRONMENT DIVISIONの中の構造

ENVIRONMENT DIVISIONの中には、主に2つの「セクション(SECTION)」があります:

  • CONFIGURATION SECTION(コンフィギュレーション・セクション)
  • INPUT-OUTPUT SECTION(インプット・アウトプット・セクション)

これらのセクションの中に、さらに細かい情報を記述する「句(く)」があります。

3. CONFIGURATION SECTIONとは?

3. CONFIGURATION SECTIONとは?
3. CONFIGURATION SECTIONとは?

CONFIGURATION SECTIONでは、主に次の2つの情報を設定します。

  • SOURCE-COMPUTER句(ソース・コンピュータ・く)
  • OBJECT-COMPUTER句(オブジェクト・コンピュータ・く)

それぞれを分かりやすく解説します。

SOURCE-COMPUTER句とは?

このプログラムがどんなパソコンやシステムで作られたのかを指定します。初心者の場合は、「汎用(はんよう)」というキーワードを使うことが多いです。


ENVIRONMENT DIVISION.
CONFIGURATION SECTION.
SOURCE-COMPUTER. 汎用.

OBJECT-COMPUTER句とは?

作ったプログラムがどこで動くのかを指定します。こちらも「汎用」と書いておけば、ほとんどのシステムで使えるようになります。


OBJECT-COMPUTER. 汎用.

※「汎用(はんよう)」とは、「いろいろな場所で使える」という意味です。

4. INPUT-OUTPUT SECTIONとは?

4. INPUT-OUTPUT SECTIONとは?
4. INPUT-OUTPUT SECTIONとは?

ここでは、どのファイルを使うか、どうやってファイルを読み書きするかを設定します。

特に大事なのが、FILE-CONTROL句です。

FILE-CONTROL句とは?

使いたいファイルの名前と、そのファイルをどうやって開くか(読み込みか、書き込みかなど)を指定します。

たとえば、社員データを入れたファイルを読み込みたい場合、次のように書きます。


INPUT-OUTPUT SECTION.
FILE-CONTROL.
    SELECT 社員ファイル ASSIGN TO "shain.txt".

この例では、社員ファイルという名前のファイルが、パソコンの中のshain.txtというファイルとつながっている、という意味になります。

ASSIGN TOの右側には、実際のファイル名やパス(場所)を書きます。

5. 実際のENVIRONMENT DIVISION全体の例

5. 実際のENVIRONMENT DIVISION全体の例
5. 実際のENVIRONMENT DIVISION全体の例

これまで紹介してきた内容をまとめた、ENVIRONMENT DIVISIONの実際の例を見てみましょう。


ENVIRONMENT DIVISION.
CONFIGURATION SECTION.
SOURCE-COMPUTER. 汎用.
OBJECT-COMPUTER. 汎用.

INPUT-OUTPUT SECTION.
FILE-CONTROL.
    SELECT 社員ファイル ASSIGN TO "shain.txt".

このコードで、「汎用的なパソコンで動作するCOBOLプログラムが、shain.txtというファイルを社員ファイルとして使う」という意味になります。

6. 初心者が気をつけたいポイント

6. 初心者が気をつけたいポイント
6. 初心者が気をつけたいポイント
  • ENVIRONMENT DIVISIONは必ず最初に書きます(IDENTIFICATION DIVISIONの次)
  • セクション名(CONFIGURATION SECTIONなど)や句の名前は必ずピリオド(.)で終わります
  • スペルミスに注意(特に「COMPUTER」や「SECTION」など)

これらのポイントを押さえることで、エラーの少ないCOBOLプログラムを書くことができます。

7. ENVIRONMENT DIVISIONとファイル処理の関係

7. ENVIRONMENT DIVISIONとファイル処理の関係
7. ENVIRONMENT DIVISIONとファイル処理の関係

ENVIRONMENT DIVISIONは、ファイル処理を行うための準備段階として重要です。プログラムがどんなファイルを使うか、どこに保存されているか、を明確にする必要があるためです。

実際のファイルの読み書きは、次の「DATA DIVISION」や「PROCEDURE DIVISION」で行いますが、その前にENVIRONMENT DIVISIONで「どのファイルを使うのか」を指定しておかなければいけません。

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