カテゴリ: COBOL 更新日: 2025/06/16

COBOLの変数の定義と初期化を完全ガイド!初心者にもやさしい入門講座

変数の定義と初期化の基本
変数の定義と初期化の基本

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「COBOLでデータを使うときって、変数っていうものを使うんですよね?」

先生

「そうですね。COBOLでも、変数を使ってデータを一時的に記憶します。」

生徒

「変数って、どうやって作るんですか?難しくないですか?」

先生

「COBOLでは決まったルールに従って書くだけなので、とても簡単ですよ。順番に見ていきましょう。」

1. COBOLにおける変数とは?

1. COBOLにおける変数とは?
1. COBOLにおける変数とは?

COBOL(コボル)でプログラミングをする際には、変数を使ってデータを記憶します。変数とは、たとえば「名前」や「年齢」といった情報を一時的に置いておく“箱”のようなものです。この箱には、あとから自由に値を入れたり取り出したりすることができます。

変数を使うと、「この人の年齢は20歳です」や「商品の金額は1500円です」といったデータを記録できるようになります。

2. COBOLの変数の書き方(定義方法)

2. COBOLの変数の書き方(定義方法)
2. COBOLの変数の書き方(定義方法)

COBOLでは変数を使うには、DATA DIVISION(データ部)というところに書きます。さらにその中のWORKING-STORAGE SECTION(作業用のデータエリア)に変数を定義します。

例えば、「年齢」という変数を定義する場合は、次のように書きます。


WORKING-STORAGE SECTION.
    01 AGE        PIC 99.

ここで使われている用語の説明

  • 01:これはレベル番号と呼ばれ、データの構造を表します。基本的には01を使えばOKです。
  • AGE:これは変数の名前です。自由に名前をつけられますが、英大文字と数字でつけるのが基本です。
  • PIC:これは「ピクチャ」と読み、どんな形式のデータを入れるのかを表します。
  • 99:2桁の数字を入れられるという意味です(たとえば12や35など)。

3. 初期化とは?COBOLでの初期値の設定方法

3. 初期化とは?COBOLでの初期値の設定方法
3. 初期化とは?COBOLでの初期値の設定方法

初期化とは、変数を使う前に最初の値(初期値)を入れておくことです。これは、何も入っていない状態で使ってしまうと、意図しない動作をすることがあるためです。

COBOLでは、VALUEを使って初期値を設定します。次のように書きます。


WORKING-STORAGE SECTION.
    01 AGE        PIC 99 VALUE 20.

このように書くと、「AGE」という変数には最初から20が入っている状態になります。

4. 複数の変数を定義する例

4. 複数の変数を定義する例
4. 複数の変数を定義する例

たとえば、名前(英文字)と年齢(数字)を両方記録したい場合は、以下のように複数の変数を定義できます。


WORKING-STORAGE SECTION.
    01 NAME       PIC A(10) VALUE "TANAKA".
    01 AGE        PIC 99    VALUE 25.

ここでのA(10)は、英字を10文字まで入れられるという意味です。Aはアルファベット用の型です。

5. 実際のCOBOLプログラムで使ってみよう

5. 実際のCOBOLプログラムで使ってみよう
5. 実際のCOBOLプログラムで使ってみよう

変数を定義して、それを使って画面に表示するプログラムの例です。これで、変数がどのように使われているかがよく分かります。


IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. SAMPLE-VARIABLE.
ENVIRONMENT DIVISION.
DATA DIVISION.
WORKING-STORAGE SECTION.
    01 NAME       PIC A(10) VALUE "YAMADA".
    01 AGE        PIC 99    VALUE 30.
PROCEDURE DIVISION.
    DISPLAY "名前は " NAME.
    DISPLAY "年齢は " AGE " 歳です。".
    STOP RUN.

このプログラムの実行結果:


名前は YAMADA
年齢は 30 歳です。

6. よく使うデータ型のPIC(ピクチャ)一覧

6. よく使うデータ型のPIC(ピクチャ)一覧
6. よく使うデータ型のPIC(ピクチャ)一覧

COBOLでは、変数の型をPICで指定します。以下は、よく使うPICの種類です。

  • 9:数字(0〜9)を表します。
  • A:アルファベット1文字を表します。
  • X:英数字や記号を含む任意の1文字を表します。

たとえば、PIC X(5)と書けば、5文字のどんな文字列でも入れられる変数になります。

7. 数値の桁数や形式を指定する方法

7. 数値の桁数や形式を指定する方法
7. 数値の桁数や形式を指定する方法

数値を扱うときは、桁数や小数点の有無などもPICで指定します。

例:最大3桁の数字を入れたい場合


01 TOTAL-AMOUNT  PIC 999 VALUE 100.

例:小数点付きの数値


01 TAX-RATE      PIC 9V99 VALUE 805.

この例では、「8.05」を表します。Vは小数点の位置を示します(実際のプログラム中にはピリオドは書きません)。

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