COBOLプログラムの基本的な書式ルールをやさしく解説!初心者でも理解できる構造とルール
生徒
「COBOLのプログラムって、どうやって書くんですか?ルールがあるんですか?」
先生
「はい、COBOLのプログラムには独自の書式ルールがあります。とてもユニークな構造をしていますよ。」
生徒
「難しそうに聞こえますが、初心者でも覚えられますか?」
先生
「もちろんです。順番に分かりやすく説明していきましょう!」
1. COBOLのプログラムは4つの部(Division)に分かれている
COBOLのプログラムは、大きく4つのDivision(ディビジョン)
に分かれています。それぞれ役割がありますので、順番に覚えていきましょう。
- IDENTIFICATION DIVISION: プログラムの名前や情報を書く部分
- ENVIRONMENT DIVISION: 使用するコンピュータやファイル環境の設定
- DATA DIVISION: データや変数の定義
- PROCEDURE DIVISION: 実際の処理を書く部分
まるで作文の構成のように、「タイトル・道具・材料・手順」がきちんと決まっている、と考えるとわかりやすいです。
2. 行番号のルールとカラム(列)位置の意味
COBOLのコードは、「行ごとに意味のある位置」が決まっています。これをカラム位置
と呼びます。カラムとは、行の中の文字の場所のことです。
- カラム1~6: 行番号(番号は必須ではない)
- カラム7: アスタリスク(*)を書くと、その行はコメントになります
- カラム8~72: プログラムの本文を書く場所
このように、カラムの使い方にルールがあるのがCOBOLの特徴です。
3. COBOLの基本的なコード構造を見てみよう
簡単なCOBOLプログラムの例を見てみましょう。これは「HELLO, WORLD!」と表示するだけのプログラムです。
IDENTIFICATION DIVISION.
PROGRAM-ID. HELLO-WORLD.
PROCEDURE DIVISION.
DISPLAY "HELLO, WORLD!".
STOP RUN.
この中で特に重要なのは、各行の始まりの位置(カラム)と、大文字でキーワードを書くという点です。
4. キーワードと命令文の書き方ルール
COBOLにはたくさんのキーワード(予約語)
がありますが、それらはすべて大文字
で書くのが基本です。代表的なキーワードをいくつか紹介します:
DISPLAY:
画面に文字や値を表示MOVE:
値を変数に代入STOP RUN:
プログラムの終了
キーワードと変数名はスペースで区切ります。
例えば、次のような書き方をします:
MOVE "山田" TO NAME
DISPLAY NAME
5. 大文字・小文字とインデント(字下げ)について
COBOLでは、基本的にすべてのキーワードを大文字
で書きます。小文字で書いても動く処理系もありますが、COBOLらしさと見やすさのために大文字で統一するのが一般的です。
また、命令文の先頭を少し下げる(字下げする)ことで、読みやすくする工夫も大切です。以下のようにインデントをつけることで、構造がすぐに分かるようになります。
PROCEDURE DIVISION.
MOVE 30 TO AGE
IF AGE >= 20 THEN
DISPLAY "成人です"
END-IF
6. ピリオド(.)の使い方に注意しよう
COBOLでは、命令の終わりに必ずピリオド(.)
を付けます。これは「この文はここで終わり」という意味です。忘れてしまうと、プログラムが正しく動かないことがあるので注意が必要です。
例えば:
DISPLAY "こんにちは".
7. コメントの書き方
COBOLでは、コメントを書くときには行の7文字目
に*(アスタリスク)
を入れます。その行は実行されず、プログラムの説明やメモとして使われます。
000100* これはコメントです
000200 DISPLAY "コメントの行は無視されます".
8. 半角スペースと読みやすさ
COBOLでは、命令や変数の間に半角スペース
を空けるのが基本です。連続して書くとコンピュータが正しく認識できなかったり、読みづらくなったりするためです。
悪い例:
MOVE"山田"TONAME
良い例:
MOVE "山田" TO NAME
以上が、COBOLプログラムを書くときに必ず知っておきたい基本的な書式ルールです。